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2010.04.11

「ニカラグアで印象的だったこと!3」

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さて…「ニカラグアで印象的だったこと!」の3回目です。去年一昨年とさかもとこーひーおゆみ野店に来店してくださって…「ニカラグア・カサブランカ農園」としてお届けしている「オルテス・コーヒー園」のセルヒオさんの取り組みがとっても印象的だったというお話しです。

セルヒオさんのプレゼンは…「7TIMES CLASSIFIED!」がテーマになっています。7回の分類選別によって品質管理をしていると強調しています。

科学の「科」には…1 物事を区分した、その一つ。学問・教育の場で系統別に分類したもの。2 生物分類学上の基本階級の一。目(もく)の下位で、いくつかの属の集合からなるが、1属で1科を形成する場合もある。(Yahoo! 辞書)とあります。

分ける事から「科学的アプローチ」がスタートとすると…僕自身基本にしているのですが…「分けることの大切さ」をセルヒオさんも大切にしていることを知り…嬉しくなりました。もっとも、ただ分ければ良いってもんでも無くて、どう分けるか?によって、その後の効果が大きく違ってきますけどね。(コーヒーで言えば…焙煎工程をどう分けるか?によって、焙煎のメソッドが大きく変わると思いますし…出来上がったコーヒーの魅力も全く違ったものになると思ってます。)的確な分類、効果的な分類が出来るようになるのは少し時間がかかりますね。

で、「Embassy農園」の他には…-「カーサブランカ農園」のラコパ地区とロスカプレス地区も回りました。ちょうどコーヒーの花が咲いていて、とっても甘い香りが印象的でした。花が咲いてから8-9ヶ月で収穫になるそうで…今の花は、今年の暮れの収穫初期の実になるようです。

その後は…ウエットミルとドライミルという…精選処理工程に移りました。収穫した実をトラックで運び…完熟した実は早く運び精選処理に入らないと発酵のリスクがあります。その為には道路等のインフラが整備されていることが重要で…道路の整備には日本の援助が役に立っていると聞きました。

「オルテス・コーヒー園」では、一般的な中米の精選処理工程よりも、5段階多いプロセスを取っているそうです。精選処理の機械は、業界では有名なブラジル製ピニャレンセの新しいものを使っていて…さらに独自に工夫を加えていました。

1まず…軽いチェリーの選別をします。水を使って比重選別をしています。サイフォン式と言って、水をかき混ぜてチェリーを混ぜ、浮くものと沈むものを分ける理屈です。

2.次は…グリーンセパレーターという工程で…チェリーの堅さで選別します。水圧緩く設定することで…柔らかい熟した糖度の高いチェリーを選別して通します。水圧を高めると多少硬い未熟な豆も通ってしまうことになります。より熟したチェリーのみ通す歩留まりの悪い方法ですね。

通常、グリーンセパレーターを通っていないチェリーをこのあとパルパーという工程を通すのですが、先ほどのグリーンセパレーターを通ったチェリーと、パルパー後のチェリーと混ざってしまう為…より選別分類とする為に分けているそうです。つまり、より塾度が揃うということですね。

3.その次は…ここで再度サイフォンを使用して、軽いパーチメントをさらに選別します。…この再度のサイフォン使用が、セルヒオさん独自の検証だそうです。「そこまでしなくても!やり過ぎなんじゃない?」…という声もあるようですが、あくまでもセルヒオさん自身が自分で考え、取り組んでいる姿勢が伝わってきました。

その後工程は…発酵槽に移るのですが…またまた驚き!…なにやら部屋の中に続いていて…中を覗くと…冷やっと涼しいのです。なんと、クーラー付き発酵槽で、低温長時間発酵の為に作ったそうです。

クーラー付きの発酵槽で…14-18.19℃の低温で時間をかけて処理をして、それはフレーバーに関係してくると聞きました。外気温任せで、時間を調節する発酵処理と…温度コントロールしての発酵処理の違いにチャレンジしているんですね。勿論、全ての豆をしているわけではなく…選別を重ねたトップクオリティの豆の為の工程になっています。

因みに、発酵槽はタイル貼りされていて…普通はコンクリートが多いようですが…清掃しやすく、清潔を守りやすくなっています。

ワインでも樽を使ったり、ステンレスタンクを使ったりしていますし、温度コントロールのノウハウは色々とあるようですし…日本酒でも低温発酵をしますね。吟醸酒は低温発酵によるリンゴのような香りを特徴とすることが多いですね。

4.最後は…乾燥工程になります。スペシャルティコーヒーで普及しているアフリカンベットを使い…さらにハンドピックで選別を進めています。

アフリカンベットは、高床式で、ネットを貼って、風通しを良くして、腰の高さなのでハンドピックもしやすいし、上にカバーを掛けられるようにすると、急な雨にも大丈夫です。

はじめて、このアフリカンベットを見た時…昔スリランカの茶園と工場の視察に行った時の紅茶の萎凋工程を思い出しました。紅茶の製造では…最初に萎凋(いちょう)と言って、干して萎らせます。紅茶と言えば発酵が印象的ですが…実際は発酵工程は、発酵の仕上げコントロール的な工程で、萎凋で間違えると後でなかなか取り替えしかつかない重要な工程だそうです。…で、萎凋工程では、ネットを貼った上に茶葉を広げて…下からファンで風を送って水分を抜いていました。

すみません…長くなってます。

その後は…カッピングルームに移って…カッピングしては、カッピング結果を一人一人コメントし…次のカッピングへと、繰り返して行きました。

カッピング時のサンプルデータには…それぞれの工程の詳しいデータがついていました。なかなかその相関関係までは分かりませんでしたが…日常的な地道な取り組みが伝わってきました。この積み重ねが重要なことは分かっています。(僕自身、焙煎をはじめた頃からデータとカッピングを繰り返し…最近後輩の焙煎指導をする機会がけっこうありますが…こちらの希望するデータと豆を送ってもらうと、焙煎の解決方法が見えてきます。まぁ、その店に行って、実際に一緒に焙煎すれば一番早いですけどね。)

そんなこんなで…カッピングです。

1.グリーンセパレーターで浮いた豆


2.パルパーを通った豆


3.グリーンセパレーター後のサイフォンで浮いた軽い豆


4.アフリカンベットでハンドピックされた豆


5.アフリカンベット後のトップスペシャルティコーヒー


6.ニカラグアの通常のプロセスの豆



と、いったカッピングがありました。見事に違いが出ていました。あぁ!この味、送られてくるサンプルに時々ある欠点だと思う事がありました。なるほど、あの味の原因はここにある可能性が高いんだ!…なんて、思いながら…貴重な経験をさせて頂きました。

素晴らしいトップスペシャルティコーヒーの中には…たまたま農園の立地がテロワール等に恵まれて…さらに、スペシャルティコーヒーの基本に忠実に真面目に栽培、精選処理をした結果…際立った魅力になったものがあるでしょう。勿論、それも素晴らしいことです。

セルヒオさんからは…より魅力的なスペシャルティコーヒーの為に…出来る事を明確にして…分類し…仮説検証し…さらなる魅力を目指し…出来る事をやって…その上で…さらに動かすことのできない土地を求める…そんな「非常にクリエイティブな仮説検証」の積み重ねを受け取ってきました。

農業ですので…その結果は一年一年少しずつのものかもしれませんが…楽しみが増えました。


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