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2010.07.26

 「プロの素人」

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各地で豪雨の被害が相次いだ今年の梅雨ですが…千葉は雨がそれほどでも無く、ただひたすら蒸し暑く、そのまま梅雨明けして、毎日本当に厳しい暑さです。

夏の焙煎は…おゆみ野店に移転する前は、3坪のガレージを改造した店でしたので、熱気がこもってしまい、35-40℃が当たり前で、焙煎終わるとTシャツがぐっしょりでした。

移転してからは広くなったので、焙煎中30-35℃くらい、だいぶ楽になりましたが…それでも、焙煎終わったら、顔を洗って身体をぬれタオルで拭い着替えて、椅子に座ってひと休みしてしまいます。

毎年、夏になってもアイスコーヒーの割合が少ないさかもとこーひーですが…今年は、夏でもホットしか飲まない常連のみなさんが、いつもの注文に「選べるSセット」に入っている「特上アイスコーヒー」や「スプラッシュカフェ」をひとつふたつ追加される方が多くなっています。

そんなこんなで…我が家の晩酌のお酒御用達処「いまでや」さんで、この24.25の土日に「いまでや夏祭り」があります。さかもとこーひーのこーひー教室を毎年開催してくれたり、料理やお菓子他のカルチャースクールも開催しているパーティー&セミナールームがあるんですが…そこに、Saecoの小型全自動エスプレッソマシーンを導入してさかもとこーひーを出したいとのことで…店が終わってからセッティングに通いました。

マシーンがオフィスや小さなカフェ・レストラン用なので…設定と言っても、豆の量やメッシュを決めたら、後は3段階の抽出量を決められるだけなんです。それだけで、レギュラーとアイスコーヒーとアイスやホットのラテ、それぞれを仕上げなくてはいけないのです。豆も1種類で全てのコーヒーをまかないます。結構、ハードル高いです。

で、初日は…ラテにフォーカスしたブレンドを持っていきました。立ち会ったスタッフは…女性3人に男性2人です。とりあえず、マシーンが入ってからお試しに淹れていた豆(いまでやさんにはさかもとこーひーが置いてあります。)を淹れてもらい…味わいを確認しました。いまでやさん専用のエルサルバドルをメインにしたブレンドなんですが…エルサルバドルの甘さや素直できれいな味わいが上手く出ていて…ビックリしました。レギュラーコーヒーだけなら、もうこれでOK、帰れるんですが…牛乳と一緒になると印象が弱くなってしまいますので、ここからが本番です。

それではと、メッシュと粉の量を決めて…微妙な抽出量の検証に入って行きました。まずは、100ccで試し…120ccも淹れて、比較してもらいます。

次は、エスプレッソ用が50ccになっていたので、それを確認して…30ccに合わせますが、これが微妙で難しい。最初は30cc弱になって…少し濃すぎるバランスなんで…30cc強に調整したら…パッと爽やかでバランスが整い、余韻の甘さまでグッと出てきました。その後、ミルクの量やフォーミングの量、アイスコーヒー用の抽出量と順番に調整していきました。

そのひと口、ひと口に…スタッフのみなさんの反応が的確で…特に、ピッタリと決まった時に、一斉に笑顔になる瞬間は素晴らしいものでした。

みなさん…エスプレッソマシーンのコーヒーがこんなに微妙な調整で、こんなに味わいが変わるのかと驚いていました。が、こちらとしては、その味に対する集中力に驚きました。美味しいもの大好き、お酒大好きなみなさんばかりですが…ワイン、焼酎、日本酒と生産者と直接繋がって、その魅力をお客様に届けている店なので…社内研修が充実していて、ずいぶんと鍛えられているのが分かります。

料理やお菓子と少し違って、お酒でもこーひー紅茶でも、液体のテイスティングって噛んだりのテクスチャーが無いし口の中に留まっている時間が短いし、ちょっと厄介なんですが…味に集中するのに慣れているので、素晴らしい反応でした。

初日のブレンドはラテにすると最高にご機嫌だったのですが…レギュラーコーヒーだと…勿論なかなか美味しいのですが…最初に飲んだエルサルバドルベースのブレンドに比べると、少し爽やかさやきれいさが物足りなかったのです、当然、そういったイメージのブレンドなんですけどね。

で、翌日は…そこをクリアーしようと…次のブレンドを用意しました。これは…レギュラーコーヒーやアイスコーヒーにはバッチリでしたが…ラテにするとこーひーの印象が少し弱くなってしまい…そこから抽出量の微妙な調整を重ね…バランスを取りました。この時に…「色々な味がする!」…って、女性スタッフが言ってくれました、流石ですね。

秋には…このイベントの経験を生かして…いまでや内にカフェ計画があるようなので…その時までには、あのマシーンでさらに魅力的なこーひーになるようなブレンド作りの楽しみが増えました。もっとも、セッティングとカッピングを繰り返しながら…もうあと2つのブレンドイメージが出来上がっているんですが…。

と、いうことで…コーヒーには素人でも、液体のテイスティングにはプロなみなさんとの2日間の楽しいセッションでした。いまでやさんもさかもとこーひーも…生産者とも、お客様とも、コミュニケーションを大切にして…日常的な暮らしを少しでも楽しく豊かにしたいってことで一致しているんです。スタッフが多い会社なんで…休憩にスタッフがこーひー飲むだけでも、結構こーひーの使用量が増えそうです。

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2010.07.18

「コロンビア・ロスイドロス、アニバーサリー2010、木陰」

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各地で豪雨による災害が相次ぎ、自然の脅威の前に立ちすくんでしまいます。さかもとこーひーの前の店「テ・カーマリー」の時…店舗が地下だったのですが…豪雨で3回浸水しました。水のパワーの凄さには個人の力ではどうしようも無いですし、その後の片付けや消毒も大変ですので、TVのニュースを見ると思い出して身体が緊張してしまいます。あの浸水があって、今のさかもとこーひーを考えるようになったってこともあります。千葉は梅雨明けして、昨日今日と猛暑になっています。「スプラッシュカフェ」のアイスコーヒーが、柑橘系の爽やかさでご好評で、試飲されるとみなさんお買い上げになっています。

そんなこんなで、今日は…真夏に向けてのこーひーを3つご紹介します。

まず「コロンビア・ロスイドロス」…幻のコロンビアマイルドと呼びたいような、コロンビア特有の円やかさが素晴らしいこーひーです。

そして「アニバーサリー2010」…さかもとこーひー17周年記念ブレンドで、COEばかりで繊細さと味わい深さのバランスをイメージしブレンドしました。

最後は「木陰」…真夏の爽やか系ブレンド3年目です。「夏への扉」から「木陰」へと季節が移って行きます。

【コロンビア・ロスイドロス】
スペシャルティコーヒーを使い出した10年前頃からしばらくコロンビアを使っていませんでした。コロンビアは長く世界第2位の生産国で、コロンビアマイルドという高い評価も得ていましたが…量産量産の道を進み…スペシャルティコーヒーに関しては他の中米が土壌、栽培、収穫、品種、精選処理と進化するのに一歩遅れてしまったと感じていました。その後、コロンビアのカップオブエクセレンスが開催され…徐々に素晴らしい素材も使えるようになりました。

しかし「コロンビアマイルド」と呼ばれ、他の生産国とは別扱いにされたように…コロンビア特有の魅力があると思います。僕はその魅力を…「優しくて、円やかな口当たり、マウスフィール」の素晴らしさだと思ってます。

今日ご紹介する…「コロンビア・ロスイドロス」は…幻の円やかさ…昔ながらの円やかな魅力…そうお伝えしたいクオリティとキャラクターだと思います。ウイラ地区サンアウグスティン ロスカウチョス生産者協会で64の小規模農家の生産になっています。

まず、最初の印象は…味わいの透明感を感じます。透明できれいな味わいの後に…優しくて、円やかな口当たりが魅力的に感じられます。円やかで繊細でクリーミーなマウスフィールと言いましょうか。

同時に…ベリーやチェリー、カシス等のフルーツ感からチョコレートっぽさも感じられ…冷めると、オレンジやトロピカルフルーツ、グレープフルーツのような感じも顔を出して来て、爽やかな余韻を印象的にしていると思います。さらに冷めると、甘く長い余韻が漂って、円やかな口当たりがより魅力的になってくると思います。

夏でもホットこーひーしか飲まないという常連さんが多いのですが…その繊細で円やかな口当たりと爽やかな余韻が夏向きだと思います、お楽しみください。

1575円/250gパック(税込み)

【アニバーサリー2010】
気がつけば、さかもとこーひーは8月で17周年になります。17年経って、まだまだ自己模倣の繰り返しにならずに、新しいこーひーのイメージを追いかけていられることに幸せを感じています。自分だけではどうにもならなくて…素晴らしいお客様と素材があってのことですので、有り難いことです。まぁ、飽きっぽいってことと、他の事を何にもできないってことが幸いしているんでしょう。

さて、その17周年記念ブレンド「アニバーサリー2010」ですが…カップオブエクセレンスばかりでブレンドしました。カップオブエクセレンスは、それだけで素晴らしい魅力とバランスを持っているので、ブレンドしては意味が無いという考え方もあります。だけれども、それは素材に負けているって思ってます。カップオブエクセレンスは勿論シングルオリジンで素晴らしい素材ですが…あくまでも素材は素材ですから…そのポテンシャルを見極め、その魅力に負けないイメージを持てるかどうか、そこに職人のチャレンジしがいがあると思いますね。

使ったこーひーは…「ボリビアCOENWカフェスマ」「コスタリカCOEサンティアゴ」「ブラジルCOE・ファティマ農園」に、「ボリビアCOEカフェフロル」や「ホンジュラスCOEロスピノス」も少し使っています。

まず、真夏ですので…繊細な舌触り、口当たりがベースになっています。そこに味わい深いコクを添えたいと思いました。柔らかで上品な口当たりと、カップオブエクセレンスクラスの持つ深い香りに優しさと味わい深さ、でしょうか。カップオブエクセレンスクラスの素材には、上品さや優しさと、香りや味わいのパワーの両面を感じています。その両面を魅力的にブレンドしたいと思いました。

香りは…チェリーからフローラル、そしてミルクチョコレートと流れ…爽やかなアップルな印象がより魅力的にしていると思います、お楽しみください。(あまり豆が無いので、ひと月限定になると思います、よろしくお願いします。)

1575円/250gパック(税込み)

【木陰】
最後は、涼やかな真夏の爽やか系お勧めブレンド、3年目の「木陰」です。夏の日、木陰を吹き抜ける風の爽やかさをイメージしました。暑さにも、エアコンの風や冷たい飲み物にも疲れた身体に優しい、上品で美しい透明感が魅力的だと思います。そして柔らかな心地よい口当たり、余韻が爽やかな風のように優しいこーひーだと思います。

今年の「木陰」は…「エルサルバドル・シャングリラ」「ブラジル・カクェンジ」「ケニア・カロゴト」のブレンドです。大切なのは…明るく爽やかな味わい…フルーティさが涼やかな軽やかさを魅力的にして…冷めてから豆のよく熟した甘さが、ほっと和ませてくれます。気持ちも身体も元気にしてくれると思います。暑さに負けず、涼やかにお楽しみください。

1260円/250gパック(税込み)


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2010.07.11

「レシピが無い」

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相変わらず蒸し暑くて…そのうえ各地での集中豪雨…日本の梅雨って趣きじゃない毎日ですが…さかもとこーひーでは、試飲の「スプラッシュカフェ」のアイスコーヒーがご好評です。金属メッシュのコーヒーメーカーで、水だけ60%に減らし、後はたっぷりの氷で急冷して冷蔵庫に入れてます。

「スプラッシュカフェ」は、ホットでもアイスでも、後味の切れの良い爽やかさをイメージしているブレンドですが…昨日ご夫婦で来られたお客様で…ひと口飲んで、奥さんが「フルーティ…オレンジやレモンみたいな感じがする」って驚いてました。さすが、女性は感覚が鋭いです。男性はほとんどグビって飲み干しておしまいですけどね。

「料理にレモンを絞るように、柑橘系のキャラクターのある豆をブレンドしているんです」って説明すると、納得して頂けました。もっとしっかりとコクが欲しい時は「特上アイスコーヒー」をお勧めしてます。

「スプラッシュカフェ」には、ミルクもとってもよく合うんですが…もっと合うのが和菓子なんです。まぁ、常連さんの間では、和菓子にはさかもとこーひーが合うってのは常識になっていますが…「スプラッシュカフェ」のアイスコーヒーにも和菓子がご機嫌に合います。先日も、千葉のお気に入りの「つる本」さんに行って「栗」に「最中」「どら焼き」といっぱい買ってきました。蒸し暑い時に、切れの良い冷たいスプラッシュカフェにお気に入りの最中でご機嫌です。

で、さっき朝ご飯の後TV観たら…「題名の無い音楽会」に「やもり」のおふたりが出てました。森山良子さんと矢野顕子さんです。アルバムも予約してあるし、予定があって諦めていた8/2のコンサートが、上手い事都合がついてチケットも取れたので…絶好の予習になりました。我々世代にとっては、天才的な女性ボーカリストのふたりですからね、楽しみです。

アルバムに参加しているギターの佐橋さんとパーカッションの三沢さんも演奏してました。「温泉に行こう」では、ピアノ、ギター、パーカッションにふたりの声だけで、素晴らしい迫力あるグルーブ、凄い、流石。

「死んだ男の残したものは」では…個性が全く違うふたりが、それぞれのソロではそれぞれの名人芸…そして一緒になると、ふたりの声が見事にブレンドして、より魅力的に響いてました。アルバムもコンサートもとっても楽しみになりました。

そんなこんなで…ここ数年スペシャルティコーヒーに参入してきた、これからの日本のスペシャルティコーヒーを広め、活躍して行く若い人達の相談にのることが時々あります。

そんなみなさんは、他の仕事をしていた人がほとんどなんですが…コーヒーの焙煎を習おうとしても、なかなか教わる所が無いので困っているようです。素晴らしい素材の仕入れはかなり良い状況になってきましたし、素材のカッピングセミナーも充実してきて…みなさん、素材サンプルのカッピングはスキルアップしてきました。

しかし、素材の見極めだけでは、市場で魚や野菜を仕入れるのと一緒ですから…それだけでは店になりません、素材だけでは、商品になりません。お菓子や料理には「レシピ」がありますが…コーヒーには「レシピ」が無いんです。まぁ、コーヒーの淹れ方やアレンジにはありますけど…ビーンズショップは、カフェや喫茶とは違いますからね。

もっとも、お菓子や料理のレシピであっても…レシピ通りに作り、形はできますが、それではプロのレベルにはなりませんので…レシピを参考にして、レシピを読み込み、自分の新しいイメージのレシピを作ることが大切ですね。

料理人にしてもパティシエにしても、若い頃から時間をかけて技術を習得するんですが…技術よりも大切なのが、自分の味覚を磨くことなんです。「レシピ」によって形は作れますが…「レシピ」以上のものは作れませんし、自分の味覚以上の美味しさも作れませんね。

スペシャルティコーヒーは、日本に入って来て、まだ10年程ですし、その10年にしても手探りの状態でしたから…まだまだ、スペシャルティコーヒーの味覚が磨かれていない状態なんだと思います。素材が充実してきていますから…その焙煎やブレンドをするロースターの責任なんだと思います。

スペシャルティコーヒー業界にも「レシピ的なもの」ができても良い頃なんでしょうか。そうやって、裾野がひろがると、新しい才能が増えそうですね。その先に…「レシピ」だけでは作れない魅力の可能性が広がっていると思います。楽譜だけでは「やもり」のあの素晴らしい魅力は生まれないですからね。

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2010.07.04

「尖った仕事」

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相変わらずの蒸し暑さで…試飲のこーひーを「スプラッシュカフェ」で淹れたアイスコーヒーに切り替えました。「スプラッシュカフェ」は…料理にレモンを添えるように、柑橘系のキャラクターが特徴のケニアを隠し味にブレンドして、後味の切れの良さ、爽やかさをイメージしています。で、もっとしっかりしたコクがお好みの方向けが「特上アイスコーヒー」になってます。

他には…すっきりがぶ飲みタイプの「アイスコーヒー」や、コクまろタイプでホットでもアイスでも人気の「茜ブレンド」と…水出し用の「夏の空」と…アイスコーヒー向けのこーひーが4つあるので…はじめてのお客さんは気軽に「アイスコーヒーください」って来店されるので、みなさんビックリしています。世間では、アイスコーヒーが1種類が普通なんですね。

さかもとこーひーは開店当初から、2種類のアイスコーヒーがありましたが…暑い夏に1つのアイスコーヒーではなんかつまらないし、お客さんにもお好みが色々とあるので、ついつい増えていってしまいますね。

そんなこんなで…昨晩はいつものワイン会がサンク・オ・ピエでありました。時間ギリギリに着くと…Wカップの話題で盛り上がっていて、みなさん詳しいので、ビックリしました。マスコミは相変わらずのお子様ランチレベル情報か、「感動をありがとう」ばっかりで…ファンをバカにしてますよね。大人が熱中しまくるようなサッカーの面白さをもっと俄サッカーファンに広めて欲しいです。ただ、NHKで観た長谷部、長友、阿部の3選手のインタビューは良かったです。みんな自分の言葉をしっかり持ってましたね。

肝心のワイン会は…エグリ・ウーリエのシャンパーニュでご機嫌なスタート。白はラモネ、シャサーニュ1級のヴェルジュ。赤はピノノワールの比較で、カリフォルニア・ピノ、ピノで著名なウィリアムズ・セリアムのラッシャン・リヴァー・ヴァレイ。もう1本はもちろんブルゴーニュ。ブルゴーニュ最高の1級畑の1つ、シャンボールのレ・ザムルーズ。ボリューム感や滑らかさと繊細な素晴らしさと対照的に楽しめました。

料理は、夏野菜が本格的になってきたということで…サンクの夏を感じる水茄子に生ハムやヴィシソワーズ等々からはじまり…メバルとホタテにシェリービネガーと焦がしバターのソースに堪能…メバルやホタテの火の通しはいつものように精妙で、ソースの酸味と焦がしバターの風味、円やかさのバランスには関心するばかりでした。次は、ラベル・ルージュのマグレ鴨のポワレ、しっかりとした肉質を生かし柔らかくも無く勿論固くも無く、鴨の臭みなどはあるはずも無く焼き、ゆっくりと噛み締めているとしみじみとした味わいを楽しめました。

で、デザートが…トンカ豆を使った生チョコとヴァニラのアイスクリームにムースショコラで…そこにこのデザートに合わせたサンク・オ・ピエブレンドです。シェフからOKはもらってましたが…自分で確認しないとはじまりませんので、これを楽しみにしてました。

トンカ豆の香りは…甘いスパイシーさなんですが、上品で、妖しい魅力がいっぱいで、際立ってます。香水にも使われるということですが…香水に使うというのが納得のなんとも惹き付けられる香りでした。フレッシュな魅力のずっと先にあるなんとも妖しいとしか言えない世界ですね。

そのトンカ豆が、生チョコとヴァニラのアイスクリーム、ムースショコラの3つのデザートに使われると、それぞれの良さになったのも印象的でした。共通する魅力とそれぞれ違った魅力があるんですね。いづれも上品に、しかししっかりとトンカ豆のフレーバーを主張していました。

シェフはお客様に「デザートをひと口、こーひーをひと口、笑っちゃいますよ。」って言っているようですが…やっぱり笑っちゃいました。トンカ豆の風味が消えかかり、こーひーを飲むと、スッとトンカ豆の風味が上がって来て、又デザートをひと口。そんな快感が順番に繰り返せるんですね。ヴァニラを越える究極のスパイスと言われるようですが、ほんと分かりました。

日本のスペシャルティコーヒーでは、その酸味のきれいさや香りを生かす為に割と抑えた焙煎が多いのがトレンドのようですが…そういった魅力はスペシャルティコーヒーの魅力の一面でしか無くって、もう少ししっかりとローストして現れる魅力(勿論、焦がしては台無しですが。)もどんどん広めていかないと…このような料理やワインの魅力に対応できないと思ってます。

コーヒーはコーヒーだけで楽しむだけでは無いですからね。普段の暮らしにさりげなく美味しさを添えるこーひーや、このような尖った料理やワイン、デザートと共により印象的で魅力を高め合うこーひーの可能性を感じています。

とりあえず、千葉の小さな街で、こんな尖った料理やデザートとワインがあり、それを感じ取り味わい楽しむ美味しいもの大好きなお客さんがいることに、この30年程の成熟を感じます。

10年前に比べたら…カップオブエクセレンスや優秀な農園のしかも限られたエリアで選別された尖った素材がふんだんに仕入れられるようになりましたが…業界はまだまだ素材頼りでしかないように感じています。或は、相変わらずの欧米からの情報先取り頼りでしょうか。(目新しい機械頼りもありますね。)

このように、料理やお菓子、そしてお客様の成熟がどんどん進んでいますから…尖ったこーひーの仕事の楽しみがまだまだたくさんありそうで、飽きる暇がないです。60歳まで、あと5年、時間が足りないです。
       

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