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2010.08.29

「上質さと手軽さ」

お客様が来店されると…「ほたるカフェ」のアイスコーヒーを入れて…「まだまだ、暑いですねー。」…毎日そんな会話からスタートしています。昨晩は、毎年恒例のシャンパーニュ尽くしのワイン会…主催のKさんのセレクトで、レアーなシャンパーニュのそれぞれの明らかに違った個性の魅力とますます格調高くなっていくサンク・オ・ピエシェフの料理に圧倒されっぱなしでした。http://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/

今日は、これから山形市まで達郎のコンサートに行ってきます。いつも都内のライブばかりですが…地方のライブは、都内とは違った良さがあると昔から聞いていて…今回、日曜日でそれほど遠く無い場所を選びました。去年のライブの時に…これから還暦まで毎年ライブをすると言ってましたが…今迄、達郎は狼少年だったので、約束が守られて、ビックリしてます。「期待は失望の母」とは、大瀧詠一師の名言です。山形は今回のツアー10本目で…スタート前からワクワク情報を追いかけていて…だいぶメンバーの調子が上がってきたようです。後は後半に都内で2回、それと多分追加公演があるようなので、それを加えると4回いけそうです。90年代に、やるやると言いながら、何年も待たされたことから考えると夢のようです。

山形に一泊するので…明日は、我が家で長年取り寄せているリンゴ園が天童市にあるので…どんな環境であの素晴らしいリンゴが作られているのか、お邪魔してこようと思ってます。と、楽しみにしていたら…昨日、その果樹園からお便りが来てました、ビックリです。

そんなこんなで…この土曜夜から月曜日は、僕にとっての夏休みになります。仕事抜きの旅行は今迄全く無かったのですが…残りの人生を考える年になってしまったので、かみさん孝行をかねて、そろそろたまにはこんな旅もしようかなと思ってます。

で…「スペシャルティコーヒーはクラフト」であり…「スペシャルティコーヒーはカスタマーオリエンテッドが大切である」…この2点に出会い、共感してという前回のお話しでした。

農産物としてのスペシャルティコーヒーの生豆は…土壌、栽培、収穫、精選処理と大量生産のコーヒーとは全く別の、これも又「クラフト」というべきもので。その生豆を焙煎する工程も…大量生産のコーヒーとは全く別な「クラフト」である…ということですね。まさに…僕が好きで、長年追いかけている「芸」とか「技」の領域です。

ライブや美術工芸に行ったり…あらゆるジャンルの美味しいものを食べたり、飲んだりしているのも…そんな「芸」とか「技」を感じたいからです。

そして…「from seed to cup」というスペシャルティコーヒーの世界では有名なフレーズがありますが…さかもとこーひーのニューズレターでも「種からカップまで」という名前で使っています…このフレーズの意味するところは…お客様が飲む、楽しむ「コーヒーの美味しさ」に向けて「種からカップまで」全てがクラフトであり…「カスタマー・オリエンテッド」を目指していることだと思ってます。

結局…お客様に「あぁ!美味しい!」と感じてもらう為に、全てが向かっているのが理想的で、目指すものなんじゃないか!と…それが…「カスタマーオリエンテッド」であると。

だから…いくら素晴らしい農園であっても…素晴らしい生豆であっても…焙煎やブレンドに問題があったら、それは台無しで、スペシャルティコーヒーとは言えなくなってしまいますし…生豆を運んでくる途中で事故があっても台無しです。現実には、なかなか理想的には行かないこともありますが…時間をかけて、色々な細かい仕組みを作っていっています。

そんなこんなで…スペシャルティコーヒーやビーンズショップの「上質さと手軽さ」について色々と考えてしまいます。

さかもとこーひーは…「丁寧な暮らし」をテーマのひとつにしていますが…缶コーヒーやリキッドアイスコーヒー、ドリップバック等々便利なものがあっても…豆で買って、挽いて、淹れる…そんなひと手間かけた暮らしを基本にしています。そんな暮らしに「こーひーの上質さ」というものを大切にして…同時に、昔のような「通」とか「こだわり」とか「マニアック」な世界から遠く離れ、シンプルな「手軽さ」も大切にしたいと思ってます。

一見、相反する「上質さ」と「手軽さ」ですが…通販で翌日届くとか、送料や代金引換手数料・無料とか…カフェプレスでお湯を入れて4分で手軽に美味しいこーひーを楽しめる…そんな「手軽さ」が、日常の「上質さ」を支えられると思うんです。

高級とは違う上質さ…気軽に、ひと手間かけて…手抜きとは違う手軽さ…そんな心地よい暮らしを、自分も楽しみたいですし、みなさんにもお届けしたいと思ってます。

日本全体が成熟期に入って…経済的には縮小していっていますが…元気に成長していた40年、30年、20年前にはできなかった手軽で上質な暮らしが身の回りにあるようになったと…悪いことばかりでは無いと感じています。まぁ、大多数は手抜きの現実が溢れていて…ムカッとしてしまいます。

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2010.08.22

「お陰さまで、17周年(2)」

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やっと、朝の心地よい風に夏の終わりを感じられるようになりましたが…昼間はまだまだ暑いですね。今週から試飲のこーひーをホットに替えようと思っていましたが…やっぱり「ほたるカフェ」のアイスコーヒーにしていて…「スプラッシュカフェ」のフルーティさから、少し円やかなコクが増している「ほたるカフェ」との違いを楽しんで頂いています。

こんな陽気なんで、ご来店は朝イチか夕方に集中していますね。で、今週になってから、ご近所からのはじめてのお客様が目立っています。暑さが少し和らいでさかもとこーひーでも覗いてみようかと思っていただいたのでしょうか。まず、冷たい「ほたるカフェ」で涼んで頂きながら…順番にこーひーのお話しをしていると…「マンデリン・ボナンドロク」が気になる方が多いですね。後は「コロンビア・ロスイドロス」とか「グアテマラ・ラスロサス」のようなシングルオリジン(ストレートコーヒー)で、その限定された地域であることや、キャラクターの違いの話しになると…ブレンドが視界から外れてしまうようです。常連さんになると…シングルオリジンも季節のブレンドも同じように楽しんでもらっています。

そんなこんなで…2週間振りに「お陰さまで、17周年」の続きです。

さかもとこーひー開店して17周年になりますが…今のような「スペシャルティコーヒー」に出会い、踏み込んでからは約10年になるでしょうか。「スペシャルティコーヒー」という従来とは違う素晴らしいコーヒーがあると知った時の興奮は今でもはっきりと覚えています。僕の喫茶人生は…「フルーツパーラー」からスタートして…「紅茶専門店」…その後「自家焙煎コーヒー」に変わってきました。

で、フルーツも紅茶も農産物としての関わりが密接だったのですが…自家焙煎コーヒーでは農産物としてのコーヒーの部分が希薄で…今イチ物足りない部分があり、その頃は陶芸に興味が移ったりして手捻りでぐい飲み等を作りはじめたものでした。

そんな時に出会ったのが…「スペシャルティコーヒー」だったのです。その「スペシャルティコーヒー」に一番共感して…「これだ!」…と思ったことは…「スペシャルティコーヒーはクラフト」であると言う事と…「スペシャルティコーヒーはカスタマー・オリエンテッドが大切である」という2つでした。

大量生産の工業製品では無くて…「クラフト」の工芸的なものである。それは「芸」であり「技」であるんだ!…と受け取り、やっと喫茶のジャンルで自分のやりたかったことに行き着いたと思ったものでした。

勿論、その農産物としての素材も「クラフト」であって…土作りから栽培、収穫、精選処理に至る迄…大量生産的な農業とは全く違うものであるというのもご機嫌でした。コーヒーは栄養摂取の面はあんまりありませんが…身体に入れるものですから…農産物として健全でなければ「美味しさ」からも遠ざかってしまいます。そこから…「コーヒーはフルーツだ!」…という、さかもとこーひーのキャッチが生まれています。

素晴らしい素材・生豆が手に入らないと始まらないのですが…「スペシャルティコーヒー」が日本に入って来て10年前後経ち…ここ数年は「スペシャルティコーヒー」に出会って新しく参入してくる若い人が目立って増えてきました。とっても喜ばしいことなんですが…そういった方々にとっては…素晴らしい素材が流通していて…スペシャルティコーヒーの基本情報も知る事ができて…カッピング等の基礎技術を学ぶ機会もあって…なかなか良い環境になっています。

ですが…「素晴らしい素材」があり…「産地情報」があり…或は「産地に訪問」する…そこでストップしてしまい…「クラフト」の部分がどうにも伝わってこないことが気になっています。(実は、キャリアのある方々にも同様に感じているんですが…。)

ここ数年で…自分の使っている焙煎機以外に…数台のドイツ製のプロバット焙煎機他何種類かの焙煎機を使う機会に恵まれました。それまでは…自分の焙煎機や環境におけるロースティングメソッドは完成していましたが…その手法が他の焙煎機に通じるかどうかは分かりませんでしたが…他の焙煎機を使ってみると…最初に「排気の強さと火力のバランスをみつける」と…そこからは全く自分のロースティングメソッドのままに通用することを検証できました。

まぁ、経験できてしまえば…生豆の立場に立つと、必要なタイミングに必要なカロリーが加わり…水分が適切に抜けて…生豆の持っている成分がカロリーによってデベロップ発達する…たったそれだけのことですから…後は、焙煎機や環境によって、適切にカロリーが加わるように調整すれば良いということです。焙煎機はツールでしか無いのに…コーヒー業界では…次から次へと焙煎機が魔法の機械のように伝説が伝わって行くようです。

その際、焙煎機や環境によって…排気の能力や強さが違いますので…そのバランスを把握することがポイントになってきますね。以前は、直火焙煎機とか熱風焙煎機、半熱風焙煎機によって色々な説が飛び交いましたが…生豆の立場にたつと、どうカロリーを与えてくれるかというだけです。

で、どのタイミング、工程で…どのようなカロリーを与えるのが適正なのか、効果的なのか…そこが重要になってくると思ってます。すみません、専門的な話しになってしまいました。そういったスペシャルティコーヒーのロースティング、焙煎の部分は「クラフト」の領域で…大きな工場で大量生産するものとは別物にならないといけないと思ってます。

「芸」とか「技」の領域ですので…日々繰り返し、鍛錬するところにやりがいや楽しみがあります。また、油断すると…「芸」も「技」も衰えてしまいます。肉体化身体化が重要になってきますね。マニュアルやレシピを遥かに越えたものだと思ってます。

同時に、肉体的身体的なものと言っても…頭もその一部なので…目の前の素材をどう捉え、解釈し…そのポテンシャルをどうデザインし、料理するか…といったことも「クラフト」だと思っています。

「職人」と言った時に…良い意味とあまり良く無い意味と使い分けられると思います。先輩から教わったことや伝統的なことをそのまま日常的に繰り返す職人…同じように繰り返す中から、日々クリエイティブに、昨日より今日、今日より明日とレベルアップを目指す職人…頭から身体までクリエイティブでクラフトな職人でありたいものです。

なんだかぐちゃぐちゃになってきました。まだ長くなりそうので…次回…「クラフト」から「カスタマー・オリエンテッド」「上質さと手軽さ」「丁寧な暮らし」…に続きます。


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2010.08.16

「パナマ・ベルリナ農園、ボリビアCOENWフェミニーナ、グアテマラ・ラスロサス、ほたるカフェ」

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8/13(金)~8/16(月)の4日間、夏休みを頂いています。連休中のご注文は8/17(火)から発送します。よろしくお願いします。

夏休みは、お盆のお墓参りをして…船橋のIKEAへ行き少し模様替えです。バーテーブルを買って来て組み立てました。高さ1mで、70cm四方のスタンディング用のテーブルです。このテーブルを店の真ん中に置いて、6人掛けの大テーブルを奥に移しました。立っていても、座っても、試飲がしやすいようにしました。

この秋で、おゆみ野店開店2年になりますので…来店のお客様が増えてきまして…ご夫婦やご家族連れのお客様が二組、三組とか重なると…大テーブルだけですと、後からいらしたお客様がちょっと居づらく遠慮気味なことがありますので…これで、みなさん試飲をゆっくりとできると思います。

その試飲ですが…氷無しでお出ししている冷たい「スプラッシュカフェ」がとっても好評で…何も説明しなくても女性はフルーティと表現される方が目立っています。

僕は…「後味のきれいなアイスコーヒーをイメージしていて…料理にレモンをひと絞りするような感覚で、柑橘系のキャラクターの豆をブレンドしているんです。」…と、お話しすると、みなさん納得してくれます。「濃くて苦いアイスコーヒーが多いので、きれいで爽やかなアイスコーヒーが欲しくてブレンドしました。もっと、しっかりと円やかなコクがあるのは特上アイスコーヒーです。」と、説明しています。

そんな「スプラッシュカフェ」はもう終わりで…今週からは、同じシリーズの「ほたるカフェ」に交代です。で、冷たいこーひーはもう飽きたので、お盆休み明けからは、ホットのこーひーを試飲で出そうと思ってます。

昨日のランチはかみさんとサンク・オ・ピエに行ってきました。特に印象的だったのは…「きゅうりのポタージュ」で、きゅうりの香りや味わいから爽やかなキャラクターだけを引き出して冷たいポタージュに仕上げたものでした。この辺に、味のデザインセンスの良さが出てますね。シェフのお話しでも、評判良いようです。

そして、トンカ豆を使った「クレームブリュレ」と「チョコレートのソルベ」とトンカ豆に合わせたさかもとこーひーです。これが…クレームブリュレのヴァニラと合わせたトンカ豆の香りと…チョコレートと一緒になったトンカ豆の香りが…見事に個性の違う香りになっていて、楽しいものでした。こーひーとの相性も上手くいっていて…かみさんはトンカ豆の入っている瓶で調理前の豆見て香りを嗅がせてもらってました。

え~、そんなこんなで、長くなりましたが…今日は…「パナマ・ベルリナ農園」…「ボリビアCOENWフェミニーナ」…「グアテマラ・ラスロサス」…「ほたるカフェ」…三者三様、四者四様の個性、魅力が揃いました。夏の終わりに、爽やかなこーひーをお楽しみください。

【パナマ・ベルリナ農園】
毎年…柔らかな親しみやすい口当たりや心地よいフローラルやフルーツの香り、甘い余韻の魅力が印象的なパナマコーヒーをご紹介しています。そして、去年今迄のパナマコーヒーの中で一番素晴らしいと思った、この「パナマ・ベルリナ農園」を今年もお届けします。

ベルリナ農園は大きな農園だそうで、色々なロットがあるのですが…このロットは、標高の高い特別なエリアで…ティピカ種限定ロットです。

最初のひと口の印象は…柔らかで円い口当たりと甘さ、明るくきれいな味わい…この印象は去年と同じですが…さらに、シルキーマウスフィールと表現される、繊細さと滑らかさが一体になった心地よい口当たりが素晴らしいと思いました。

味わいは、熟したフルーツの魅力、甘さ…トロピカルフルーツ、ベリー、フローラルと感じられ…少し冷めると、軽めの赤ワインのワイニー…さらに冷めると、余韻にハーブな感じも感じられて…長い余韻の後のフィニッシュの切れの良さに繋がっているように思いました。高級感あふれる上品な香りと味わいの豊かさ…繊細な魅力…余韻の心地よい切れの良さ…お楽しみください。

1890円/250gパック(税込み)

【ボリビアCOENWフェミニーナ】
「ボリビアCOENWカフェスマ」に続いて…ボリビアのカップオブエクセレンスで国内審査を通ったナショナルウィナーを受賞した「ボリビアCOENWフェミニーナ」をご紹介します。

この「ボリビアCOENWフェミニーナ」は…ボリビアCOENWカフェスマより、さらに繊細で、柑橘系のキャラクターが魅力的だと思います。夏の終わりにぴったりでしょう。

明るい味わいと円やかなコクのやや深煎りのこーひーです。余韻には、ココアな感じが柔らかで豊かなコクと一体となり、そこに柑橘系やミントのニュアンスが加わって、素晴らしいと思います。そんなキャラクターが、より爽やかな魅力を引き立てていると思います。

まだまだ馴染みの薄いボリビアのこーひーをここ数年ご紹介してきましたが…他の産地には無い際立った魅力、個性が少しずつ伝わってきたように手応えを感じています。しっかりとしたコクがあって…柔らかで明るい味わいが親しみ易さを支え…柑橘系やミルクチョコレートのキャラクターが魅力的で…柔らかなコクと爽やかな味わいのボリビアこーひーはこれからもっともっと広まっていくように思ってます、お楽しみください。

1890円/250gパック(税込み)

【グアテマラ・ラスロサス】
グアテマラファンのみなさん…お待たせしました。グアテマラの新豆到着しました、第一弾です。この「グアテマラ・ラスロサス」は…さかもとこーひーのグアテマラのメインの産地アンティグア地方とは違う、ウエウエテナンゴ地方で、COE入賞実績もある優秀な農園です。

僕がグアテマラに惹かれる魅力のひとつが…ハニーライクです。フローラルな香りと甘さが一体になったようなハニーライクな魅力です。この「グアテマラ・ラスロサス」は…まず、柔らかな口当たりの甘さが最初に印象的でした。その後から…フローラル、ハニーライク…と押し寄せて、う~~ん、良いですねー。少し冷めてくると…ブラックカラントからチョコレートのキャラクターが追いかけてきます。

味わいは…今回のこーひーに多い、シルキーな繊細さと円やかな口当たりが良いですね。ブライトと言われる明るいニュアンス…冷めてくると濃縮感のある赤ワインのようなワイニーも感じられました。さらに冷めるとスパイシーさが顔を出して来て、余韻に複雑さを与えています。完熟した甘さの余韻にフローラルやハニーライクがより魅力的で…アンティグアの個性とは明らかに違いがあると思います、お楽しみください。

1575円/250gパック(税込み)

【ほたるカフェ】
最後は、さかもとこーひーのいい感じの苦味系ブレンドのエース「ベラ・ノッテ」の流れの夏バージョン「ほたるカフェ」です。秋のベラ・ノッテ…冬の陽だまり…春のミモザカフェ…初夏はスプラッシュカフェ…と来て夏の「ほたるカフェ」です。

この一連のブレンドは…グアテマラやエルサルバドル、コロンビア等にケニアをブレンドして透明感と余韻の切れの良さ、いい感じの苦味を柱としています。そんな統一されたイメージを生かしながら、春夏秋冬四季に合った魅力作りをして、もうすっかり人気のシリーズとしてお馴染みになりました。

そして夏向けの「ほたるカフェ」ですが…使ったこーひーは…コロンビア・サンチュアリオ、コロンビア・ロスイドロス、エルサルバドル・シャングリラ、ケニア・カロゴトです。夏の夜に漂うほたるの点滅に…やや深煎りこーひーの爽やかさをイメージしています。

去年の「ほたるカフェ」にコロンビア・ロスイドロスが加わって、さらに円やかに爽やかに仕上がったと思います。コロンビアの円い口当たりを生かし、暑さに疲れたこの季節、穏やかに和む深煎りです。アイスコーヒーにしても爽やかなコクを楽しめますし、ミルクとの相性も抜群ですのでアイスコーヒーにたっぷりのミルクを加えてもご機嫌です。円やかなコクと爽やかな切れの良さをお楽しみください。アイスクリームと一緒でもご機嫌です。

1260円/250gパック(税込み)


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2010.08.07

「お陰さまで、17周年」

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さかもとこーひーのHPをリニューアルしました。フラッシュを使わないで、iPhoneやiPadでも大丈夫なようにしました。ご覧ください。

(夏休みは…8/13(金)~8/16(月)の4日間です。連休中のご注文は8/17(火)から発送します。よろしくお願いします。)

お陰さまで、この8月11日に、さかもとこーひーは開店17周年を迎えます。今年は、とりわけ厳しい暑さですが…17年前の夏も厳しい暑さでした。毎年思い出すのは…開店前二日間、かみさんと妹と3人で手分けして、近所にポスティングした日の日射しのキツさ、猛烈な熱さです。

それまで、10年間営業していた「紅茶の店 テ・カーマリー」を閉めて…ビーンズショップとして再スタートするには、38歳はギリギリの年齢だと思っての決断でしたが…55歳になってみると、なんと若く、たっぷりの時間があったことかと思ってしまいます。その頃小学生で、今26歳になった長男が…子供ながらに「我が家はこれからどうなってしまうんだろう?」って思っていたと、飲みながら話してくれました。その後、なんとか暮らせるようになったのですが…かなり綱渡りの毎日でしたね。貧乏自慢ならけっこう負けません。

そして、おゆみ野店に移転して、もうすぐ2年ですが…お陰さまで、なかなか理想的な商いになってきています。それもこれも、常連のみなさんのお引き立てのお陰です、いつも本当にありがとうございます!もう少し快適な店になるようにとこの夏休みに手を加えようと、今準備しています。

そんなこんなで…先日の月曜日には、新宿のオペラシティで「やもり」のコンサートに行ってきました。生矢野顕子&森山良子ははじめてでした。時間になって…おふたりが登場…アッコちゃんがピアノをぽ~んと弾いて…いきなりノーマイクアカペラでのスタートでした。席は3階席真ん中で、ステージからは遠いですが…音が最高で…あっという間の2時間。

ふたりの豊かで艶があってきれいな歌声にピアノ…外れは無いと思ってましたが、こんなに素晴らしく、凄いとは思ってませんでした。やはりライブは良いですね。ソロやハーモニーの魅力に、さらにピアノが素晴らしい!ぽ~んと1音弾いただけで、ぐーっと惹き付けられました。そこに、小倉博和のギターが抜群…アルバムはギター佐橋佳幸でしたが、佐橋君が達郎ツアーのリハーサル中の為でしょう…やもりのコンサートは、山弦(小倉博和、佐橋佳幸の僕の一番好きなギターデュオ)の相棒が助っ人になったようで…山弦のアルバムで聴き慣れた音色が、その数倍も魅力的に鳴り響いて…もう、ご機嫌でした。あまり感動を声高に言わないうちのかみさんも、最高に良かったようで…帰りにアッコちゃんのアルバム「音楽堂」も買ってました。そうそう、しゃべくりも最高でしたね。

ロビーに、清水ミチコさんの花がありましたが…当日も来られていたようで、ブログに…「オペラシティ「やもり」のコンサートへ。
行ってよかった。最高の休日だ。お二人は自分を出す前に音楽を優先しているから聞いててとても楽ちんだ。風が吹いてるみたいだ。歌の中で無になっていられる。なかなかできないことですね。私という爪あとを忘れないで!という痕跡を残すタイプは多いものです。私も、だったりして。こわ。自分じゃわかりませんもんね。…」とありました。

う~~ん、なかなか深い言葉ですね。「無」なんですよね。こーひー職人としては…素材のポテンシャルを見極め…常連さんのお好みをイメージし…こーひーとして仕上げるのですが…そこで、自分が消えたら理想的だと思ってます。素材とお客様の間で、自分は消えている…それでも、自分は消えようが無いですから…こーひーの魅力だけを考えて、それでも出ているいるのが「個性」なんだろう、と、思いますね。

人によっては、自分の味、個性を出したいと思うでしょう。でも、消しても消しても、伝わってしまうものでしょうから…あんまり個性とか考える必要は無いと思いますね。どういう素材を選び、どんな常連さんがいて、自分の技術や感性があって…それらが揃ってのこーひーですから…自分だけでは独り相撲でしか無いですね。独りでは相撲はとれませんからね。

と、いうことで…「やもり」コンサートで、とっても「上質なひととき」を過ごせました。達郎のコンサートは3時間オーバーで…それはそれは満腹で…充実感もいっぱい、満足感もいっぱいなんですが…「やもり」の2時間は、とっても満足して、しかも腹八分目な感じで、それも又充実していました。(で、8/6厚木で達郎のツアーがスタートし、早くも観に行ったファンが興奮しながら色々とレポートしています。去年のツアーは新メンバーの加入があったので、手探りの部分もあったようですが…この一年リハを重ねて、さらに良くなっているようです、期待で興奮します。)

そんなこんなで…次回「お陰さまで、17周年(2)」は…最近考えている「上質さ」と「手軽さ」について、スペシャルティコーヒーに絡めて考えてみたいと思ってます。あらためて、いつも、ありがとうございます。本当にゆっくりですが…こーひーの魅力と使い勝手の良さを向上させていきますので…これからも、よろしくお願いします。

そうそう…先週HPのデザインをリニューアルしました。iPhoneやiPadでもちゃんと見られるように、フラッシュを使わないでデザインしてもらいました。10年位基本的に同じデザインだったので…そろそろ変えたかったのもあります。如何でしょうか。

スペシャルティコーヒーのお店は…農園の写真とかいっぱいな感じが多いようですが…さかもとこーひーは相変わらず文字ばっかりな感じです…よろしくお願いします。

と、書き上げたら…先日、サンク・オ・ピエの「8月9月のコース」のデザート用に作った「サンク・オ・ピエブレンド」のことをシェフが書いてくれました。http://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/diary/201008060000/

6月7月の「トンカ豆を使った生チョコとヴァニラのアイスクリーム」から…8月9月は「トンカ豆を使うクレームブリュレとチョコレートのソルベ」に変わり…そのデザートに合わせたブレンドです。

6月7月にブレンドに使った豆はもう無いし…有っても同じブレンドじゃぁー芸が無いし…同じトンカ豆を使っても…今度は「クレームブリュレとチョコレートのソルベ」です。チョコレートでも、生チョコとソルベの違い…ヴァニラを使っていても、アイスクリームとクレームブリュレの違いに合わせた仕上がりをイメージします。

アイスクリームの冷たさと口溶け、余韻…クレームブリュレのクリーミーな滑らかかさに余韻、さらに表面のカラメリゼした香りと甘苦い味わい、サクッカリッとした食感のリズム。生チョコの芳醇な味わいと余韻に口溶けの心地よさ…ソルベの爽やかさと冷たさに魅惑的なチョコレートとトンカ豆の香り。

それらを思い浮かべながら…豆の棚を眺め…4種類をピックアップ…結局、グアテマラはその酸のキャラクターがミスマッチで即却下し…残った3種類で、バランスの調整を進めました。たまたま、休み明けの火曜日、夏でも多少は忙しかったので、全部パッキング終わってから…そうですねー、完成まで30分位でしたか、イメージさえ出来れば、結構仕事は早いですね。

サンク・オ・ピエ用のこーひーは…F1レースと同じような感じの仕事と言えます。僕にとって、その時点での最高に尖った仕事です。持てる技術と感覚を鋭利に使う仕事ですね。F1で培った技術やノウハウが、量産車にフィードバックされるように…尖った仕事で、技術や感覚を磨き…それが普段着のこーひーにフィードバックされる…そんなスパイラルアップですね。

それと、そんなレストランのデザートとのマリアージュを楽しむようなこーひーを、ジャズのインプロビゼーションのように即興で作れるのは…普段から、さかもとこーひーが、お菓子と一緒に楽しむことをイメージして、焙煎味作りをしていることが役立っていると思います。そういった豆がいつでもありますしね。

これが、コーヒー単体で味わうタイプのコーヒーだったら、なかなか難しいでしょう。スペシャルティコーヒーには焙煎を抑えたものが多いようですが…勿論その魅力も良いものですが…デザートとのマリアージュとなると、デザートとお互いをより魅力的にするには向き不向きの制約があると思います。幅や奥行きが狭いという感じでしょうか。

こーひー屋なのに…仕事だからと、お酒飲んだり、食べ歩いたり、お菓子屋さん巡りしたり…周りからそれって仕事に関係してるの?って言われますが…結構大切なんですよね。そうそう、我が家はお盆休みにサンク・オ・ピエ予約してありますので…今から、楽しみです。

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2010.08.01

「82歳焼きの技術」

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さかもとこーひーのHPをリニューアルしました。フラッシュを使わないで、iPhoneやiPadでも大丈夫なようにしました。ご覧ください。


先日、夕食後にTV点けたら…BSで「明日に向かって撃て」が始まるところでした。おぉ!っと思って…最後まで観てしまいました。主題歌の「雨にぬれても」でも有名ですね。(ドリカムのパクリ疑惑で「題名の無い音楽会」で取り上げられたこともありました。)

最初に観たのが、もう40年位前になりますか、高校入ったばかりだった頃で…オープニングでぐーっと惹き付けられ…そのまま、衝撃的なラストのストップモーションまで…緩む事無く、終わったらしばらく立ち上がれなかったことを思い出します。

あの頃は、ぴあも無いし、ビデオもDVDも無くって…スポーツ新聞の映画欄をチェックしては…新小岩、錦糸町、銀座、飯田橋、新宿、渋谷、高田馬場と名画座を回って気に入った映画を何回も観たものでした。

ジョージロイヒル監督で…ポールニューマンにロバートレッドフォード、キャサリンロス…作曲がバートバカラックで、BJトーマスの歌ですね。何回観たか分からないくらい繰り返し観ていますが…改めて観ても…緊張と弛緩…メロディーとリズム…カラーとセピア…陰影の美しさ…全体の流れから、粋なユーモア、小ネタまで魅力的でした。この後ジョージロイヒル監督で…ポールニューマンにロバートレッドフォードで「スティング」も作っちゃったんですね。因みに、アメリカから逃亡して行き着いたのがボリビア…スペシャルティコーヒーでボリビアを焙いた時に思い出したのは…「明日に向かって撃て」のボリビアかー!でした。

なんかTVばっかり観ているようですが…最近6時で閉店するとヘロヘロで、夕食後は本を読む気にもならず、ぼーっと横になってばかりなんです。TV東京の「和風総本家」という地味な番組で…「銀座の小さな巨人」と呼ばれている82歳の焼き鳥の職人が特集されてました。職人とか火に関連した内容には即反応してしまいますね。

50前後の有名焼き鳥店主、職人が3人カウンターにざらーっと揃い…82歳の職人の仕事を見る企画です。焼き台の前に立っているのとは勝手が違うのか、TV撮影の影響か…カウンターに座っている3人の表情が…82歳の職人の集中した面構えの前には、子供同然に見えました。

しばらく無言で焼き、無言で見つめる時が続き…82歳の職人が炭を足した頃から場が動き始めました。炭床の炭が浅いんです。なんか炭を深く、厚く重ねる店が多いということですが…底の炭が無駄になるって言ってました。大きな肉を焼くんでしたら…全体のカロリーが必要でしょうが…焼き鳥なんで、そんなに炭をたくさん使う必要が無いんでしょう、合理的だなぁーと思いました。

で、カウンターの一人が…「炭と焼き鳥の距離が近くて焦げるのを恐れず美味さに集中している。炭と焼き鳥の距離を置いてきれいに焼く店は多いんです。」と、いったような事を発言しました。

これは、とっても興味深いことです。

「強火の遠火」って昔から良く言われます。焼くってのは…「輻射熱」「放射熱」「対流熱」の3つが基本で…焙煎機メーカーは、そこに「接触熱」も加えて…焙煎機の設計をしていると聞いたことがあります。

「強火の遠火」は…強火で大きなカロリーを貯え、近火だと中まで火が通る迄に表面が焦げてしまうので、遠火ににして「輻射熱」「放射熱」を上手に使い、イメージとおりに火を入れていくってことだと思います。で、通常は「強火の遠火」っていう原則があるので…何でもかんでも「強火の遠火」が一番と思考停止してしまうんです。

でも…「強火の遠火」ってあくまでも、イメージとおりに仕上げるための「手段」なんです。焼き鳥は、肉が小さいですし…この82歳の焼き鳥職人が、焦げを恐れず、多少焦げても、自らの求める美味しさに仕上げるために、近火で焼いているってことが伝わってきました。勿論、その為の技術が伴っての話しですけどね。腕が無かったら、ただ焦がすだけですからね。

スペシャルティコーヒー業界でも、その素材のポテンシャルを生かす為に、深く焙かないことが主流になっているようです。時々色々な店の豆を手にすることがありますが…そのほとんどが、深く焙かないんじゃ無くて…焙け無いのが現実だと思ってます。浅く焙いてあると、一見表面化していない「水分抜けの悪さ」「ロースティング工程のデベロップ不足」が(一見であって、実ははっきりと味わいに出ているんですが。)…深く焙くと、酷く焦げが表面化してしまうからだと思ってます。

さかもとこーひーでも、焦げては香りも爽やかな甘さも余韻の心地よさも冷めてからの美味しさも台無しですので…1℃の差でコントロールしていますが…でも、それぞれの豆の魅力をどう生かして、お客様に素直に「美味しい!」ってもらうことが目的なので、そこにフォーカスすることを忘れないようにしています。

「手段」の「目的化」って…国レベルから個人レベルまで、あちこちで気になってます。

焼きの話題になれば…サンク・オ・ピエですが…何度も書いたと思いますが…シェフは鳥のローストをフライパンだけだったり、オーブンと併用したりするんですね。ローストチキンと言えば…大きな回転するオーブンで、ぐるぐると均一に焼く印象です。でも、腿と胸では肉質が違いますから…均一に焼くと、それぞれが理想的では無くなっちゃいます。生焼けは不味いんで…どこかが焼き過ぎになってしまいますね。シェフは、それぞれの部位が一番美味しくなるように考え、技術を駆使しているんですね。

何℃のオーブンで何分…先輩からそう教わったら、下手すると一生そのまんまの職人もいるでしょう。そして、後輩に同じ事を伝えていきそうです。まぁ、大量生産のものだったらそれも仕方が無いですが、職人の個人技では不味いでしょう。

大切なことは…最終的な仕上がりをイメージして…そこに行き着く為に、技術を駆使することですね。それにしても、82歳になって、炭の火力の前で仕事をする気力体力には感心しました、励みになりますね。

明日は「やもり」です。矢野顕子、森山良子の同世代天才歌姫ふたりを楽しんできます。達郎のツアーも来週スタートです。僕は、月末の山形と10月の東京、埼玉が確保できました。

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