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2011.02.27

「ブレンドの秘訣・2、サンク・オ・ピエ10周年記念ブレンド」

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日射しが明るくなり、毎朝の徒歩通勤でも明るい中通えるようになってきました。ひと冬お世話になったヒートテックとも、もうさよならですが…スタッフ二人が花粉症で辛いおもいをしてます。僕はどうしたことか?…まだ、大丈夫です。花粉症の薬は飲んでますが、このまま軽く過ぎ去って欲しいです。

先週発売した4つのこーひーの中でも…「モカ・イルガチェフェ」の人気が予想以上に高くて、喜んでいます。おゆみ野店では、今毎日「モカ・イルガチェフェ」を試飲でお出ししているんですが…とりわけ女性のお客様の反応が良く…「あまーい」「おいしいー」「いい香り」「フルーティ」「ほんとフローラルだぁ」…等々みなさん笑顔になっています。

強い味わいや香りでは無く、優しい繊細な香りと味わいなんですが、そのデリケートさやエレガントさが女性には好印象のようです。余韻にふわふわと漂う香りを楽しまれています。モカというと一般的に酸っぱいといったイメージが広まってしまっていますが…そのようなモカとは全く別世界のモカの魅力をご紹介できて、何よりです。

こちらは、いつも素晴らしいご感想をメールしてくださいます、鹿児島のKさんが…「モカ・イルガチェフェ」が届いて直ぐに召し上がり、メールしてくれました、ご紹介いたします。

「飲んだ感動を忘れないうちに報告しておかないと早速感動レポートをお送りします。久々のモカイルガチェフェ袋を開けたら、「おっ。こんなに可愛い豆だったかな」と思うくらい、小さく丸々とした豆たちですね。焙煎も、さかもと珈琲では、珍しい少々浅いくらいの煎りなんだなぁのも実感。

豆自体のままでは、ほのかにナッツの香りがする程度でしたが、ミルで挽いた瞬間にまるで、しゃぼん玉がはじけるがごとくミルキーでフローラル、しかもちょっぴりジンジャーも香ってエキゾッチクさあるとても、華やかなさを演出してくれました。これは、豆買いしないとわからない楽しさですね。挽いた量は、浅煎りとみて少々自分なりにいつもの量よりも若干多めにしました。

飲んでからは「うま~~~い!甘~い!美味しい・・」甘いんだけど、その中に酸味もしっかり合体していて非常にバランスがいいですねぇ。ボディもしっかりしていて、余韻もいいし、どんな食べ物を合わせたらさらに美味しい1杯になるかは試してみます。桜餅なんか愛称がよさそうな気配です。

もう朝からご機嫌です!(^_^)v2袋買って正解です。しばらく心地よい朝の1杯が続きそうです。(もちろん他のさかもと珈琲の豆でもそうです)ありがとうございました。」

Kさん、いつも、ありがとうございます。2000m前後の高地の気候やその土地特有の土壌、品種、その後の精選処理等全てが関わった実りの香りと味わいだと思いますが…特に、とっても質の良い酸を素晴らしい甘みが包み込んだバランスとフローラル、スイートジンジャー、ブルゴーニュのようなワイニー、ファーストフラッシュのダージリンといった香りの素晴らしさが愉しいと思います。また、メールください、とっても励みになります。僕にとっては…「グアテマラ・エルインフェルト・パカマラ」…「パナマ・エスメラルダ・ゲイシャ」…「ニカラグア・エンバシー」…に続く…気持ちがそわそわドキドキ落ち着かなくなるような妖しげな魅力をもったこーひーになっています。

そんなこんなで…いつもお世話になっている幕張本郷のサンク・オ・ピエが10周年を迎えました。http://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/diary/201102210000/ おめでとうございます!…飲食店でもビーンズショップでも、独立して一年、三年、五年と続くことがとっても難しいことですので…10周年はほんと目出たいです。

たしか25年位前の専門誌だったと思いますが…クイーンアリスの石鍋シェフが…フレンチのレストランは千代田区中央区港区以外では難しい…と、言っていたことを印象深く覚えています。まだまだフランス料理と言えばホテルがメインで、街場のレストランがようやく少しずつ増えてきた時代です。

あれから、カジュアルなイタリアンがブームになり…コースで楽しむフレンチは少しよそ行きのイメージのままブームから遠ざかっていますが…この25年間でお店もお客も成熟し…千葉の小さな駅の小さな店でめくるめくような美味しい料理と時間が楽しめるようになりました。時の流れの重さを感じます。

まぁ、サンク・オ・ピエもさかもとこーひーもほんと限られたお客様相手の小さな店ですが…お互い、素晴らしい常連さんに恵まれて、10周年20周年と長く商いできるいい時代になったと思います、一緒に刺激し合って、いい仕事を楽しんでいきたいと思います。

そんなこんなで…シェフから…「また、無茶ぶりですが、、、10周年記念コースに合わせたこーひーをお願いします。」…「かなり強いデザートなので、、、、無茶なお願いで申し訳ありません。」…と、メニューとともに、メールがきました。

「フランス西南部産IGP指定の鴨のフォアグラの冷製と、対馬産イノシシの自家製スモークハムのタルティーヌ仕立て」…前菜は、フランス西南部産IGP指定の鴨のフォアグラの冷製と、対馬産イノシシの自家製スモークハムのタルティーヌ仕立て。最近はやりのタルティーヌは、フランス風オープンサンド。ライ麦パンに真空パックで火を通したフォアグラのスライスと自家製の対馬産イノシシのスモークハムとサラダをのせて仕上げます。

「リ・ド・ヴォーのロースト、カルバドス風味」…二品目は、リ・ド・ヴォーのロースト、カルバドス風味。薄切りにして粉をつけてカリッと焼き上げることが多いリ・ド・ヴォー(仔牛の胸腺)を塊のまま私得意の弱火ローストで仕上げて、カルバドスでフランベして香りをつけます。とろけるようなクリーミーな食感が魅力です。

「フランス産ホロホロ鳥のコンソメ」…三品めは、フランス産ホロホロ鳥のコンソメ。フランス産のホロホロ鳥をミンチにして、ときめき鶏のブイヨンをベースにしてコンソメをひきます。実に味わい深いコンソメになるでしょう。

「エイヒレと自家菜園の有機白菜の熟成シェリーヴィネガー風味、ベルナール・パコー氏風」…四品目は、魚料理。エイヒレと自家菜園の有機白菜の熟成シェリーヴィネガー風味、ベルナール・パコー氏風。これは去年の9周年コースでも披露しましたが、三ツ星シェフベルナール・パコー氏のスペシャリテです。本来はキャベツを使うんですが、今年は白菜が良いので自家菜園の白菜を使います。熟成シェリーヴィネガーの酸味が白菜の甘みと優しい食感のエイヒレを引き立てます。

「イタリア産ウサギの背肉のロースト、乾燥トリュフ風味の塩で味付け」…メインは、イタリア産ウサギの背肉のロースト、乾燥トリュフ風味の塩で味付け。ウサギの背肉は、繊細さの極み!あえてソースは避けて、イタリアのトリュフ加工品のトップメーカーのウルバーニ社製の乾燥トリュフ風味のゲランドの塩を振りかけるというシンプルなスタイル。こうなると、もう完璧な焼き加減なくしては料理にならないので、いつにも増して気合いを入れて焼きます!

「フォアグラとトンカ豆風味のクレーム・ブリュレ、カラメルと有塩バター風味のアイスクリーム、シナモンの香り、フランボワーズ風味のパヴェ・ド・ショコラシェフ風フィナンシェ」…デザートは4種類。フォアグラとトンカ豆風味のクレーム・ブリュレ、カラメルと有塩バター風味のアイスクリーム、シナモンの香り、フランボワーズ風味のパヴェ・ド・ショコラ、シェフ風フィナンシェ。

「毎年の課題である開店日記念コースの“ユニークなデザート”が、フォアグラとトンカ豆風味のクレームブリュレ。フォアグラ使いの達人?!として知られた私ならではのデザートです。

カラメルと有塩バターにシナモンの風味をつけたアイスクリームは、カリスマパティシェ“ピエール・エルメ”氏のレシピを参考にしたものです。

それから、去年のクリスマスにも使ったフランボワーズ風味の生チョコと、フィナンシェの盛り合わせです。このデザートに合わせるこーひーもさかもとこーひーにお願いしました!」

こんなメニューの最後を飾る「サンク・オ・ピエ10周年記念ブレンド」をブレンドします。ということで…今日は「ブレンドの秘訣・2」ですね。

普段は、豆の並んでいる棚を眺めていると、イメージが沸いてきて、そうなったら、30分もあれば仕上がっていきます。場合によっては…夜、お風呂に浸かって、ぼーっと店の棚を思い浮かべていると…あれと、これと、う~~ん、これはどうかな?…てな感じで、ほぼイメージが出来上がり…翌日、それをカッピングして、出来上がり!…そんなこともあります。

まぁ、いつもなんですが…サンク・オ・ピエブレンドは…せっかくなんで、その時に使える最高の豆を使い、二度と作れないブレンドを作るようにしています。と、言うのも、料理やデザートの質やクオリティ、そこにワインもありますので…こーひーにとっても質の高い酸が無いと、負けてしまうんです。

ワインでも、料理でも、こーひーでも…酸の質やキャラクター、ボリュームは重要なポイントになると思ってます。勿論、一般に言われ嫌われる質の悪い不快な酸味や酸っぱい味とは、全く別のものですが…。

で、メニューをじっくりと読んでいきます。デザートは勿論、全体のメニューを読み、それぞれの料理や流れをイメージしていきます。そして、4つのデザートをひとつひとつイメージします。(この辺は、付き合いの長いシェフの料理じゃないと、なかなか難しいことです。)

そこまでくれば、10分20分で候補の豆がピックアップできて…後は、実際にカッピングしながら30分程で仕上がり…最後は、実際に何度かカフェプレスで淹れて、楽しみながら、確認して完成なんです。

ところが…今回は、ちょっと手こずり…候補の豆を、お茶の時間毎に順番に淹れて、2日3日かけて使えるかどうかじっくりと味わいました。

味わいながら…トンカ豆とシナモンのスパイシーさ…フォアグラ、クレームブリュレ、アイスクリーム、パヴェ・ド・ショコラ、フィナンシェのボリューム感や食感…カラメルやチョコレートのキャラクター…フリーズドライフランボアーズの鮮烈なキャラクター…と、各要素に分けたキャラクターをイメージしながら…こーひーのキャラクターと頭の中で合わせてみます。

すると…「グアテマラ・ラスロサスNW」を飲んだ時にこれは使えるとピンときて、そこからはいつものようにカッピングして、すぐに仕上がったんです。使った豆は…-「グアテマラ・ラスロサスNW」…「モカ・イルガチェフェ」…「コロンビア・サマニエゴ」です。

その後、近所のケーキ屋さんで…フランボアーズのケーキやプリンにガトーショコラ等買ってきて、「サンク・オ・ピエ10周年記念ブレンド」と一緒に頂いたんですが…お菓子のクオリティとか鮮やかさがサンクのデザートとあまりにも違う為に、あまり参考にならなかったですね、レベルが違うので仕方ありません。

実際の「サンク・オ・ピエ10周年記念料理」は、いつものワイン会で楽しむ予定で…3月はじめには、スタッフのOさんの誕生日の食事会をしますので…それぞれで、確認し、楽しめると思います。さて、どんなもんでしょう?…けっこう綱渡りで、僕にとっては楽しい尖った仕事です。このような仕事の積み重ねが、ひとつひとつ抽き出しを増やしていきますので、有り難いことでもあります。

「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。


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2011.02.23

「コーヒービジネスを考える(7)」

「コーヒービジネスを考える(7)」です。

前回は、自家焙煎の喫茶&豆売りの店の閉店から
お話ししました。

自家焙煎店は、
昭和50年前後にコーヒー専門店ブームがあり、
その頃は大手ロースターやフランチャイズの豆を使う店が多く、

そのアンチテーゼからか、
徐々に自家焙煎する専門店が出て来たと思います。

豆売りは、まだ少なく、
デパート等で大手の会社が売り場を持っていました。

挽き売り店と言ったくらいで、
挽いてもらうのがサービスになっていた時代ですね。

20年くらい前までは、
デパートの豆売り場は行列が出来る程で、
デパ地下でもかなり良い場所にありましたが、

改装の度にデパ地下でも隅っこの方に
追いやられていますね。

そんなこんなで、
喫茶から、豆を分ける形が多かったので、
喫茶飲食業がベースになっているところが、
ビーンズショップの難しいところだと思います。

ビーンズショップは製造小売りですから、
製造業のノウハウ、
小売業のノウハウが求められます。

ビジネス的には、
飲食と製造と小売りでは、
それぞれ、コスト構造が違いますから、
そこをきっちりと明確にしないと、
なかなか上手くいかないでしょう。


続きます。


一年程前に書いたブログをご紹介します。
スペシャルティコーヒー・スモールビジネスマーケティング


さかもとこーひーのHPのバックナンバーから、
「独立を目指す君へ」
でも、色々と書いています。

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2011.02.20

「モカ・イルガチェフェ、グアテマラ・ラスロサスNW、ニカラグア・ブエノスアイレス、桜ぼんぼりカフェ」

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今朝の千葉はどんより曇って冷え込んでいますが…お店のお花は、春を先取りをした桜や桃で可愛くきれいです。雪が降ったり、雨になったり、風が吹いたりして…もうすぐ春ですね。この季節は、焙煎の火力が毎日変わるのでより神経を使い、朝から目一杯集中しています。

そんなこんなで…春に向けての新しいこーひー4つのご紹介です。

今回は…3年振りになるモカの最高峰「モカ・イルガチェフェ」…華やかでシルキーな魅力いっぱいの「グアテマラ・ラスロサスNW」…去年訪問した農園で、滑らかでフルーツ感いっぱいの「ニカラグア・ブエノスアイレス」…そして、春の人気NO1「桜ぼんぼりカフェ」…お楽しみください。

【モカ・イルガチェフェ】
昨年の10月に2年振りとなる「エチオピアモカ」をご紹介し…先日も、お客様から「きれいな味わいなのに、円やかなコクがあって、とても美味しかった」と、嬉しいご感想メールを頂きました。その「エチオピアモカ」は…エチオピアのシダモ地方のモカです。

今日、3年振りにご紹介する「モカ・イルガチェフェ」は…エチオピア南部のイルガチェフェ地域で…花とか紅茶や柑橘系のキャラクターが特徴の世界でも有名な高品質コーヒーの産地です。

しかし、最近のイルガチェフェは政府の管轄下で全て混入され、イルガチェフェG-2となってしまい、トレースは不可能となっているようです。また品質も均質化してしまい、際立ったキャラクターを持つロットがなかなか無いと聞きます。今回のオロミア農協は、農協産の為、ブレンドされることなく、輸出されることが出来たということです。

前振りが長くなりましたが…さかもとこーひーでは2004年にはじめて「モカ・イルガチェフェ」をご紹介し、2008年以来3年振りになる…僕が一番好きなモカの「モカ・イルガチェフェ」をご紹介します。

今回、サンプルをカッピングした時に…今まで手にした「モカ・イルガチェフェ」よりも、より一層エレガントで気品のある香りと味わいを感じました。その香りと味わいを繊細に仕上げてみなさんに楽しんでもらいたいなぁー!と思っていました。

最初のテスト焙煎では、香りの変化に集中しながら…いつものモカよりも3℃程浅く煎り止めたのですが…カッピングしてみると、そのフローラルさやスイートジンジャーの魅力は出ているものの、薄いフィルター一枚二枚覆ったように、やや曇っています。スタッフにカフェプレスで淹れて飲んでもらうと…フローラルもスイートジンジャーも感じる感じる…って、言ってくれましたが…2回目では、さらに2℃10秒程手前で焙き上げて…はい、バッチリOK!…スタッフに淹れると…え~!全然ちがうー!…最初のテストからどうイメージするか?…その瞬間が職人として、一番のやりがいで楽しみなんです。

そんな「モカ・イルガチェフェ」ですが…エレガントとか気品とかがまず浮かびました。口の中に漂う香りは…ジャスミンのようなフローラル、そこにスイートジンジャーが重なった感じでしょうか。ゆっくりと味わうと…ブルゴーニュのようなワイニー、さらにダージリンのファーストフラッシュを連想するような香りです。

とっても柔らかな良質な酸味があるんですが…その魅力的な酸味が見事に甘味に包みこまれている為に、その酸味が完全に隠し味になって、優しく円いコクを演出していると思います。柔らかな香り、口当たり、甘さ、長い長い上品な余韻…強い主張ではありませんが、非常にエレガントなこーひーだと思います。普段のさかもとこーひーとはちょっと違う世界をお楽しみください。

1890円/250gパック(税込み)

【グアテマラ・ラスロサスNW】
昨年の夏にご紹介して、とってもご好評だった「グアテマラ・ラスロサス」のナショナルウィナー受賞こーひーです。さかもとこーひーのグアテマラのメインの産地アンティグア地方とは違う、ウエウエテナンゴ地方で、COE入賞実績もある優秀な農園です。

「僕がグアテマラに惹かれる魅力のひとつが…ハニーライクです。フローラルな香りと甘さが一体になったようなハニーライクな魅力です。この「グアテマラ・ラスロサス」は…まず、柔らかな口当たりの甘さが最初に印象的でした。その後から…フローラル、ハニーライク…と押し寄せて、う~~ん、良いですねー。

少し冷めてくると…ブラックカラントからチョコレートのキャラクターが追いかけてきます。味わいは…今回のこーひーに多い、シルキーな繊細さと円やかな口当たりが良いですね。ブライトと言われる明るいニュアンス…冷めてくると濃縮感のある赤ワインのようなワイニーも感じられました。

さらに冷めるとスパイシーさが顔を出して来て、余韻に複雑さを与えています。完熟した甘さの余韻にフローラルやハニーライクがより魅力的で…アンティグアの個性とは明らかに違いがあると思います、お楽しみください。」…これが、昨年ご紹介した時のコメントです。

このナショナルウィナー受賞ロットは…そんな魅力の中でも…輝くような華やかさが印象的なキャラクターと、シルキーマウスフィールさが際立ち、それが余韻の柔らかな甘さの魅力へと流れていっていると思います。その魅力を生かす為に、ほんの少し焙煎のバランスを変えました。このウエウエテナンゴ地方のグアテマラの魅力をお楽しみください。

1890円/250gパック(税込み)

【ニカラグア・ブエノスアイレス】
去年訪問してきた「ニカラグア・ブエノスアイレス農園」をご紹介します。50年の歴史のあるファミリー農園で、品質重視で生産していて、このファミリー農園から、カップオブエクセレンスに2農園が入賞しているそうです。

非常に急峻な山で、東南向き斜面に面していたことを思い出します。とっても日射しが強く、又乾燥していて涼しい風が吹いていました。コーヒーの樹は、その強い日差しから守るためにシェードツリーに覆われている様子が印象的でした。

植えられている品種は「マラカツーラ」が80%で…マラゴチッペの甘さとボディを生かし、カツーラの明るさとアシディティを加えているそうです。では、そんな「ニカラグア・ブエノスアイレス」の魅力をご紹介します。

全体的な印象は…酸味の質の素晴らしさと甘さのバランスが取れて魅力的なことから…ジューシーで甘いこーひーになっていますね。さらに柔らかなマウスフィールの心地よさが加わって余韻が印象的になっていると思います。

香りは…フローラルやピーチからハニーライクにベリー、ミルクチョコレートと流れていき…柔らかな甘い口当たり、爽やかな余韻が甘さを伴って、長く続いていきます。

親しみ易く、円やかな口当たりから…明るく爽やかな甘さ、フローラルやピーチのキャラクター、長く心地よい余韻…と「ニカラグア・ブエノスアイレス」の美味しさをお楽しみください。

1575円/250gパック(税込み)

【桜ぼんぼりカフェ】
さかもとこーひーの春は「桜ぼんぼりカフェ」から訪れます。「花のような爽やかな香り」と「親しみやすい甘さ味わい」が、長かった冬から解放された今の季節にぴったりだと思います。春の人気NO1こーひーです。

透明感のある春の香りと心地よい豊かな口当たりをイメージしました。使ったこーひーは…「エルサルバドル・シャングリラ」…「コロンビア・サマニエゴ」…「ニカラグアCOEサンアントニオ」…「エチオピアモカ」…と、珍しく4種類使い…飲みやすさだけでは無い…味わい深さもイメージしています。

色々なフルーツとかフローラルな印象…味わいは、春にふさわしい穏やかな円やかさが魅力的だと思います。春の人気NO1ブレンドですから…毎年バージョンアップし、みなさんのご期待を越えるよう意識しています。

桜餅やイチゴのケーキと相性のよい円やかさですね…イチゴのケーキ、シフォンケーキやサブレ、ムース…りんごや洋梨のケーキ…桜餅に草餅…ご機嫌なひとときになると思います。カジュアルなギフトにもピッタリだと思います…お楽しみください。

1575円/250gパック(税込み)

「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。


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2011.02.17

「コーヒービジネスを考える(6)」

「コーヒービジネスを考える(6)」です。

今朝、15年以上の常連の奥様から…
その方のご近所の自家焙煎店の閉店を聞きました。

さかもとこーひーより数年早く開店していたお店ですので、
20年超えていたと思います。

さかもとこーひー開店前には、
いちお客として時々通っていましたし、

さかもとこーひー開店後は挨拶をして、
色々と情報交換もしていました。

ここ10年と少しは、ご無沙汰していました。

自家焙煎して、
ハンドピックして、
新鮮なコーヒーを、
ペーパードリップで淹れていました。

熱心で良心的なお店でした。

僕が知っている限りでは、

喫茶がメインで、
豆の販売は、
分けてあげる、
って昔のスタイルですね。

自家焙煎のコーヒー専門店が増えていった時代のお店です。

ご主人は、僕と同世代です。

ビーンズショップには、
喫茶がメインで、
豆の販売がサブのスタイルと、

豆の販売がメインで、
カフェがサブのスタイルと、

豆の販売だけで、
喫茶はしない(試飲を徹底する)スタイルと、

ありますね。

元々、自家焙煎店のコーヒー専門店をしていたお店で、
スペシャルティコーヒーに取り組み際、
喫茶を完全に止めることを勧めたケースが
いくつもあります。

或は、
喫茶併設のビーンズショップを計画していた人に、
ビーンズショップオンリーでスタートするように
勧めたケースもいくつもあります。

ビーンズショップは、
最初常連さんが増えるまで、
ほんと売り上げが少ないので、
その分喫茶の売り上げでカバーしようと
思う人が目立ちます。

そこが重要な分岐点になると思ってます。

続きます。


一年程前に書いたブログをご紹介します。
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さかもとこーひーのHPのバックナンバーから、
「独立を目指す君へ」
でも、色々と書いています。

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2011.02.13

「ブレンドの秘訣」

20110213_photo2

西高東低の気圧配置が崩れ…房総沖を低気圧が通過すると関東は大雪になり、春が近づいてきます。この連休は大雪になる予報でしたが…11日の建国記念日は都内で飲み会がありまして、積もるほどでは無くてひと安心でした。北陸の友人からしたら…何を騒いでいるのか?…って、思ってるでしょうね。店のお花は春を先取りし、女性のお客様に喜ばれていて…日射しが明るくなり…朝晩、少しずつ日が伸びています。

まず…「エルサルバドル・ラスヌベス」が売り切れました、たっぷり確保してあったのですが、予想以上の人気でした、ありがとうございます。

「エルサルバドル・シャングリラ」が代わりに登場します。…「選べるSセット」「旬瞬Cセット」「トレジャーズセット」「ジョイセット」…の各セットで…「エルサルバドル・ラスヌベス」から…「エルサルバドル・シャングリラ」になります、よろしくご了承ください。では、「エルサルバドル・シャングリラ」のご紹介です。

【エルサルバドル・シャングリラ】
すっかり、さかもとこーひーのエルサルバドルを代表するこーひーになった「エルサルバドル・シャングリラ」です。一昨年・昨年と人気だった「エルサルバドル・シャングリラ」ですが…今年も素晴らしい魅力になっています。特に、滑らかな味わいの豊かさ、熟し具合の素晴らしさが伝わってくる甘さ、後味の明るい切れの良い印象、がアップしていると思います。

ミルクチョコレート、ベリー、ワイニー、滑らかな甘さ…と、温暖な気候と火山灰土壌、古い樹が多く、ブルボン種を大切に守り…完熟実を丁寧に選別しているエルサルバドルこーひーの魅力がストレートに伝わってきます。

又、少し冷めると…隠し味のシトラスキャラクターが明るい爽やかな甘さがでてくるところに、このこーひーの素晴らしさを感じます、お楽しみください。以下に昨年「シャングリラ農園」を訪れた時の印象をまとめてみます。

「シャングリラ農園」は…1400から1500mの高さにあって…山に登っていく途中、遠くからコーヒー農園を見ると…エルサルバドルは風が強く、ウインドブレーカーと呼ばれるワッフルのような模様の防風林が印象的でした。もうひとつは、火山が多いことですね。太平洋からコーヒー農園のある山岳地帯まで、ずーっと平地なので、海からの風が直接吹いてくるんでしょう。ある程度海陸性気候の要素があるんでしょうか。高地であっても穏やかな気候なのと、豊かな火山灰土壌なのが、エルサルバドルの魅力に影響しているのかなと感じました。

「シャングリラ農園」を回りながら説明を聞いていると…気候も土壌も良いので「樹が長持ちする」ということでした。70年になる農園で、50年以上の樹もありました。品種は、95%ブルボンで5%がパカスだということです。日射しが強かったのですが、風が冷たく感じ、蒸し暑くは無かったですね。土まで陽が当たっているのも印象的でした。剪定によっての陽の当たり具合や風通しは農園にとって大切なことですから…その辺のコントロールの良さも実感しました。

気候と土壌に恵まれ長持ちするので樹齢の古い樹を大切に使い…ブルボン種中心で…勿論、完熟実を選別収穫することも徹底していて…それらの条件がエルサルバドルの魅力になっているんだろうかと思いました。(樹齢の古い樹は、ワインでも言われますが、成熟期になっていますので栄養生長よりも生殖生長になっているんですね。なので、元気に樹が成長することよりも、子孫を残そうとするので、実に複雑性があって味わいが魅力的になるんでしょう。若い魅力よりも、成熟した魅力ってことでしょうか?)

1575円/250gパック(税込み)

そんなこんなで…先週の「サロン・デュ・ショコラ」の続きを少し…色々なショコラショやケーキ、ショコラを頂きながら、それぞれに合うブレンドをイメージしあって、遊んでました。同業者4人一緒にいたんですが…今、それぞれ持っている豆から…候補をあげて…このパターンだったら…こっちのパターンだったら…と、可能性を探りあってました。

先週のプロのつぶやきで…サンク・オ・ピエにシングルオリジンでお届けするのを、手違いでブレンドしてしまい…その後、その「ニカラグア・エンバシー」と「コロンビア・サマニエゴ」を使いサンク・オ・ピエ専用のバレンタインブレンドを急遽作ってお届けしたと書きましたが…シェフがその「サンク・オ・ピエ専用バレンタインブレンド」についてブログhttp://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/diary/201102070000/で、以下のように書いてくれました。

「サンク・オ・ピエ専用バレンタインブレンド」は、飲んでみると、なるほど先日の間違えブレンドとはまったく違い、実に上品!チョコレートともよくマッチします。まあ、チョコレートに合わないこーひーというのもなかなかないでしょうが、さかもとこーひーの場合は合うという次元がちょっと違うんですけどね、、、。 昨日までは、ニカラグア・エンバシーとコロンビア・サマニエゴを使っていたんですが、ニカラグアの非常にデリケートな味わいとコロンビアの中では、今までに感じたことなかったような力強さを感じるサマニエゴ、どちらもとても美味しいこーひーなんですが、やはりシングルオリジンのこーひーは、料理に例えると素材のみの味という感じで、シンプルな塩焼きとでもいいましょうか、、、美味しさがシンプルなわけです。もちろん、つまらないということではありませんよ!塩焼きには塩焼きにしか出せないよさがありますからね!それに比べると、ブレンドこーひーには、シングルにはないデザートへの対応力などを感じます。単体でも十分に美味い物を混ぜることでさらに別の美味さを作り上げるわけだが、先日のコロンビア、ニカラグアの1:1ブレンドは、パッとしなかったのにさかもとさんが、ちゃんとイメージして混ぜるとこれだけものができるというのが、料理人の私にもミステリーです。食材の組み合わせや調味料の組み合わせなら、わかるんですが、こーひーのブレンドの秘訣はどうにも想像がつかないのが自分でも不思議なくらいです。」

昨日土曜日の夜に今年はじめてのワイン会で…参加者が男ばっかりだったためか、ブルゴーニュがテーマのワインに合わせた料理が直球&マニアックなもので…みんな圧倒されて、帰り道でのその余韻に浸り盛り上がってました。デザートは…チョコレートにカルダモンとジンジャーを合わせたり…フリーズドライのフランボアーズを合わせたり…メチャクチャ作るのが難しいというキャラメルの生チョコだったり…それに、さかもとこーひー風味のプリンも加わり…そこに「サンク・オ・ピエ専用バレンタインブレンド」を一緒に楽しんでご機嫌でした。

土曜日にみえたお客様は…前日にサンクで「ハートバレンタイン・カフェ」を飲み…チョコレートに合わせるコーヒーなら、普通少し深めだったり、チョコレートキャラクターだったりするのに…「ハートバレンタイン・カフェ」は濃いめでも無く優しい味わいなのに…チョコレートの後に飲んだら、印象がガラッと変わり、一体化して、より美味しくなったのに驚かれてました。で、「ハートバレンタイン・カフェ」を買われたんですが…そのように、僕のイメージを共有してくださると、職人冥利に尽きますね。

 「ブレンドの秘訣」って言っても、別に変わったことは何も無いんですね。シェフが料理やワインでイメージしているのと同じなんだと思います。

さかもとこーひーのお客様でもあり、僕が大ファンのジャズピアニスト外山安樹子さんの連載http://www.junkstage.com/toyama/?p=31は、共感することが多く、次のアップをいつも楽しみにしていますが…「ピアノに向かわない時間」という内容で…「 さらに、ジャズは「即興的」「アンサンブル」が重要な音楽。自分の技術を磨くことも大切だけれど、人の音を聴き、その場に一番ふさわしい音を出せるようになるためには、本番の舞台を何度も踏むこと、これが一番の練習です。 ピアノの前に向かってもいいけれど、日常の家事や些細な出来事の中でポっと浮かんでくる音たち、いい音楽を聴いた時や他の芸術作品に触れた時にインスパイアされて生まれる音たち・・・これらがとても大切で貴重なもの。 ピアノの前にいない時間も、私には沢山必要なのです。」…これには、激しく共感しました。

シングルオリジンの特徴を見つめる事…焙煎による違いを把握し…ブレンドした時の役割の可能性を探り…実際に色々なパターンを試します。そこからは…イメージを膨らまし…バランス、アクセント、ハーモニー、アンサンブルといったことを常に意識します。(業界でブレンドの話題になったり、勉強会の場だったりの時…あまりにもストレートに何と何のブレンドで、その比率を知りたがる人の多いことに呆れています。そんなことより、そのブレンドを深く見つめ、どのような人に、どのような魅力を伝えようとしているかイメージすれば…そこから、自分なりの新しいブレンドのヒントが掴めるはずなんですけどね…。)

結論は…「他の演奏をよく聴く」…って、ことでしょうね。こーひーだけでなく、お菓子も、料理も、ワインもその他何でも香り味わいを意識することから…自ずとブレンドのイメージが広がってくると思ってます。

コーヒーのカッピングは基礎の基礎ですが…いくらカッピングしても、コーヒーばかり飲んでいても、飲食の経験が豊かなお客様の期待を越えるコーヒーは作れないと思ってます。コーヒー業界には、まだまだタバコとコーヒーのおっさん社会が根強いように感じています。

「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。


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2011.02.09

「コーヒービジネスを考える(5)」

「コーヒービジネスを考える(5)」です。

日曜日に、長男がお世話になっている美容院で
カットとカラーをしてきました。

長男はカラーリストなんで染めてもらい、
先輩のI店長にかみさんがカットしてもらって、
僕は後輩のT君にカットしてもらいました。

その時に、I店長からこのブログを読んでいると聞いたので、
今日は理美容院にもからめてみようと思います。

理美容院から考える消費者と顧客です。

理美容院は元々ご近所のお客様相手で、
労働集約的なビジネスですから、
大きく成りづらく、
又倒産も少ないといった特徴があると思います。

で、自ずと常連さん相手の顧客商売だったですね。

で、日本の成長期には、人口は増えるし、
さらに都市部や周辺の住宅地は流入がありましたから、
真面目に商いしていけば、
店舗付き住宅建てて、食べていける位の稼ぎが当たり前だったと
思います。

そこへ、成長期からライフスタイルがどんどん変化し、
ファッション性が比重を増して、
可処分所得も増え、

まず、元々流行に敏感だった美容院にスターが現れ、
有名店がチェーン化したり、
地域の繁盛店が支店展開するようになっていきました。

そこで、
顧客と消費者が入り乱れるようになったように感じます。

しかし、
基本は1対1の接客、技術業ですからね、
あくまでも顧客商売なんですが、
それだと生産性が上がらない。

もっと稼ごうと思ったら、
システム化して、
スタイリストとアシスタントを組み合わせ、
客数をこなしたい。

さらに、雑誌等にも積極的に露出して、
遠くからもお客さんを呼びたい。

すると、顧客商売から消費者商売になってしまう。

難しいですね。

理容店は、その点、ファッション性が低いので、
ご近所の顧客相手と言えます。

そこに1000円カットの消費者相手のチェーン店が出現し、
一気に制圧してしまいました。

うちの近所でも、
個人店なのに、
1000円カットにしたり、
平日1000円カットメニューを取り入れたりする理容店があります。
どう対応してよいか困っているんでしょう。

これは、顧客商売なのに、
実は、ご近所ということに甘えて、
消費者商売してきたからではないかと感じています。

美容院が、たんにカットするのでは無く、
きれいになる喜びを売っているのに対して、

理容店は、伸びた髪をカットすることを売っているんだと
思ってます。

僕は1000円カットに通っていたんですが、
I店長にカットしてもらようになったら、

髪を手でかきあげるだけでも気持ち良い快感を知ってしまいました。
腕が良いと、こんなに違うんだと感心したものです。

おっさんでさえそうなんですから、
女性はなおさらでしょうね。

きれいになった女性は本当に嬉しそうです。

ソリューションビジネスとよく言われますが、
問題解決でしょうか、
理容店はソリューションビジネスでしょう。

しかも、髪はひと月たてば勝手に伸びますから、
そこの需要が発生しますね。

そこに甘えたように感じます。

勿論、優秀な繁盛店、一流店は素晴らしい顧客ビジネスを
していると思います。

美容院は、
その点、ひとりひとりの喜びを売っているように思いますので、
ソリューションよりも、
クリエーションの部分は大きいと思います。

まぁ、どちらにしても、
消費者相手にコモデティビジネスを展開するのか、
顧客相手にクリエーションなビジネスをするのか、
明確にすることからスタートすることがポイントだと
思います。

顧客が明確になれば、
そこから先は、無限の可能性が広がってくると思います。

どのようなカスタマーにどのような喜びを提供するのか。

カスタマーオリエンテッドですね。

そうそう、
理美容院で生産性を上げるポイントは、
客待ち時間を如何に減らすかでしょう。

飲食店も同じなんですが、
ピークタイムは、追われて、仕事が雑になりやすい。

そして、
アイドルタイムはすることが無くなってしまう。

この客待ち時間が大きな無駄を生みますから、
生産性が下がり、
その分、お客様への還元も出来なくなります。

営業だと移動時間に置き換えられますね。

生産性ゼロの時間です。

よく、無理無駄ムラと言いますが、
全体から細かいことまで、
無理無駄ムラを無くすことが基本でしょう。

ビーンズショップも理美容もそれほど大儲けできる
ビジネスでは無いのですが、

だからこそ、生産性を上げないと、
無理無駄ムラだらけで、
お客様に大きな価値を届けることも出来ないと思います。

全てが、
カスタマーオリエンテッドに繋がることが大切だと思います。


一年程前に書いたブログをご紹介します。
スペシャルティコーヒー・スモールビジネスマーケティング


さかもとこーひーのHPのバックナンバーから、
「独立を目指す君へ」
でも、色々と書いています。

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2011.02.07

「サロン・デュ・ショコラ」

20110206_photo

節分、春分の日ときて…日射しにも春の兆しが感じられますね。日によって、冬の焙煎の火力から春の火力に変わっていきますので…焙煎の火力に気を使う季節になってきました。

まず…「ニカラグア・エンバシー」が完全に終了しました。ニカラグアのメインの生産地よりも、収穫がひと月からひと月半も遅いニカラグアで一番標高の高い農園で…その分完熟させるのが難しい点があるのに、ゆっくりゆっくりと見事に熟した魅力が伝わってくる素晴らしいこーひーでした。

おゆみ野店での試飲でも…はじめてのお客様が素直に美味しいと言ってくださり、常連さんもその味わい深い魅力に感心してくださいました。去年、ふぅーふぅー言って登った険しい傾斜の農園を思い出しました。

先日、サンク・オ・ピエへ届ける「ニカラグア・エンバシー」と「コロンビア・サマニエゴ」を、こちらの手違いで混ぜて送ってしまいました。http://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/diary/201101310000/シェフはそのこーひーを使って「さかもとこーひー風味のプリン」を作ったそうです。12日に今年はじめてのワイン会があるので、楽しみです。

しかし…このままではちょっと悔しいので…「ハートバレンタイン・カフェ」ともうひとつお任せという昨日の注文に…「ニカラグア・エンバシー」と「コロンビア・サマニエゴ」を使いサンク・オ・ピエ専用のバレンタインブレンドを急遽作ってお届けしました。この2つに「グアテマラ・フェリシダ」も少し使って…ご機嫌な仕上がりになったと思います。休みに楽しもうと、少し余分に作って自宅用に持ち帰ってきました。ふたりとも転んでも只では起きない職人仕事ですね、楽しいです。

そんなこんなで…先週、新宿伊勢丹の「サロン・デュ・ショコラ」に行ってきました。 最終日だったので余裕を持ってみられましたが、すでに売り切れのショコラも多かったですねぇー。

まずは、友人と待ち合わせて…「ジャン ポール・エヴァン」のカフェがあったので、持って帰れないメニューから手当たり次第注文です。

まず、「ショコラ ショ」ホットチョコレートですね…オーソドックスな「ショコラ ショ パリジャン」…ショウガが入った「ショコラ ショ ジャンジャンブル」…バナナとレッドペッパーの「ショコラ ショ バナーヌ」…「ショコラ ショ ジャンジャンブル」のチョコレートとジンジャーの組み合わせがイメージとおりでお気に入りでしたが…チョコレートとバナナとレッドペッパーの組み合わせは想像がつかなかったのですが…見事に仕上がって…ひと口ふた口飲むと、ポッと身体が温まってきて、ビックリでした。

それぞれの「ショコラ ショ」は、繊細で後味のキレも良いのですが、それでも濃度があるので…ゆるめにホイップした甘味の無い生クリームを加えると、より美味しくなって、一緒に行ったみんなも気にいってくれました。

後は…カルダモンのアイスクイームにフランボアーズのソースの「グラス カルダモン エ ソース フランボアーズ」…とっても肌理の細かい滑らかな「ショコラ ムース」…その他モンブランが2種類に…「ヴィオレット」というスミレ風味のショコラババロワとカシスのクリームにダッコワーズが敷いてあるお菓子が印象的でしたね。

特に、カルダモンとアイスクリームにフランボアーズの組み合わせは、僕の好みにドンピシャでしたし…その相性の新鮮さに刺激を受けましたね。

コーヒーでも、ショコラでも、シンプルな素材から、どういったイマジネーションをもつか?…その辺に共通したものを感じます。サンク・オ・ピエのシェフは…さかもとこーひーのクリーンさやフローラル、色々なフルーツや酸のキャラクター等々味わった後に…最後に冷めきって、カップの底に残ったスパイシーさやタバコの魅力をいつも楽しんでくれています。

スペシャルティコーヒーのフローラルさたフルーツの魅力はかなり広まってきたと思いますが…それだけではもったいないと思います。素材と焙煎によって…嗜好品としてのもっと奥深い魅力の可能性があると思ってます。

店のスタッフへのお土産は…銀座三越にも入っている「フレデリック・カッセル」のボンボンショコラ15種類にしました。けっこう高くて贅沢なチョコレートですね。しかし、そのショコラは…どれも、濃厚さと繊細さ滑らかさ柔らかさをもった素晴らしいものでした。

「ジャスミンのガナッシュショコラ」…「マロンクリームとヘーゼルナッツのショコラ」…「パッションフルーツとココナッツガナッシュショコラ」…「ガナッシュにジンジャーのコンフィを会わせたスパイシーなショコラ」…「アプリコットとショコラ、柚子とガナッシュショコラ」…「ナッツのプラリネにオレンジがフルーティに香るショコラ」…「胡麻とナッツのプラリネショコラ」…「ミルクチョコレートにシナモンのガナッシュショコラ」…あと何があったかな?…3日間くらいかけて、こーひー飲みながら、みんなで楽しみました。

スペシャルティコーヒーの業界人がショコラの世界に接すると、すぐに素材にフォーカスしてしまうように感じています。 「サロン・デュ・ショコラ」でも、生産地別のキャラクターの違いを紹介していますが…そこにいってしまうんですね。コーヒーのシングルオリジン的な関心を持つのでしょう。素材レベルから離れられないんでしょうか…スペシャルティコーヒーの世界でも、まだまだ素材自慢レベルから先に進めないように感じています。

しかし、僕はそういった素材を越えて(勿論、素材の高いクオリティは当然として)新しい魅力をどうイメージしているか?に興味があるんです。本質を捉えて…さらに新しい魅力をイメージし、お客様に新しい愉しみをお届けするよう心がけたいと思ってます。

「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。

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2011.02.03

「コーヒービジネスを考える(4)」

「コーヒービジネスを考える(4)」です。

原料…消費者…素材…顧客…。

正月休みに、僕の敬愛する山本夏彦翁の2009年に出ていた、
「浮き世のことは笑うよりほかなし」を読みました。

月刊誌「室内」に掲載された対談から選んだ対談集です。

その中で、
広告批評の天野祐吉さんとの平成元年の対談に、

「銀行は、顧客だけを相手にしていればよかった。
競争が激しくなって、不特定多数の消費者をなんとか集めようとしはじめた。」

「割合いい広告をちゃんと作っている人は、
全国の人に均一に広告しようとは思っていない。
自分のご近所の人に、ご近所の人と一緒に商品を井戸端会議の話題にするって
発想で広告を作っている。」

と、いったお話しが出ていました。

さりげなく、顧客と消費者の区別を明確にしています。

山本夏彦翁の古い本には、
小さな出版社を経営しながら、
広告の出し方、
作家への手紙の書き方、
ベストセラーは出さない、
といったようなマーケティングのツボが顔を出す事があります。

今なら、ダイレクトレスポンスマーケティングといった内容を
昭和30年代にやってます。

マーケティング本と言えば、
僕は島田陽介氏の本でマーケティングについて色々と学びました。

一番印象的だったのは、
アメリカのマーケティング本を翻訳する時に、
「カスタマー」となっているのを
「お客様」と訳してしまうことが多く、

翻訳者は英語は出来ても、
マーケティングが分かっていないと、
このような間違いをしてしまうことが多い。

「お客様」と日本語になると、
成長期のマスマーケット相手の時代の日本では、
「消費者」と受け取ってしまう。

ここでも、
「カスタマー」と「コンシューマー」が
ごっちゃになっている。


コンシューマーといえば、
先日読んだ世界的なコンシューマー企業P&Gの本に、

「コンシューマーがボス」

これが、P&Gの根幹をなしているといった内容がありました。

流石、分かっている会社は分かっていますね。

勿論、大きな会社でも、
カスタマー、顧客相手で成功していますから、

会社の大きさだけでは云々できませんが、

小さな会社、
スペシャルティコーヒーのビーンズショップにとって、
「カスタマー、顧客」を明確にすることが
最初に重要なポイントだと思ってます。

それが、長いマスマーケット相手のこの業界では、
原料、消費者相手が染み付いているように感じています。

「スペシャルティコーヒーはカスタマーオリエンテッド」

なんですが、

英語ができても…。

一年程前に書いたブログをご紹介します。
スペシャルティコーヒー・スモールビジネスマーケティング


さかもとこーひーのHPのバックナンバーから、
「独立を目指す君へ」
でも、色々と書いています。

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