« August 2016 | Main | October 2016 »

2016.09.25

プロのつぶやき866「とびっきり普通に美味しいブラジル」

Img_3693


プロのつぶやき866「とびっきり普通に美味しいブラジル」

千葉は相変わらず雨模様が続いて…9月はほとんど陽が照っていないです。どうにも湿気が多く体調がすっきりとしません。

そんなどんよりした土曜の夜…いつものサンク・オ・ピエでのワイン会のスタートは冷たい鶏のコンソメに酸味の効いたトマトのピクルスが浮かんで…怠くてボーッとしていたのがスッキリとスイッチ入って3時間の楽しい時間になりました。

ゴルゴンゾーラと洋梨のリゾットにフォアグラのソテーリンゴソースにソーヴィニヨンブランのオレンジワインのマリアージュにはその素晴らしさに驚き、とっても学びになりました。

ゴルゴンゾーラ、洋梨、リンゴがバランス良くひとつになり、さらにフォアグラとオレンジワインが一体化し、ひとつの魅力に仕上がって…そのままこーひーには使えなくても、この感覚は抽き出しにしまっておいて結構あちこちで使えそうです。

デザートは…黄桃入りのクレーム・ブリュレ、ロースト・ヘーゼルナッツ入りフィナンシェ、山形産山ブドウのソルベで…こーひーはこのデザート専用ブレンド…プラス「はじまりの秋」でした。

クレームブリュレ、フィナンシェ、ソルベとそれぞれタイプの違う魅力にぴったりと寄り添うようなブレンドがイメージとおりに仕事していて、ひと安心でした。

お陰さまで、スペシャルティコーヒーの素晴らしい素材を思うように使えるようになり…さらにその素晴らしい素材をもっと魅力的にお客様にお届けできるよう…日々感覚を磨いていますが…昨晩の料理とワインのような体験も感覚を磨く最高の機会となっています。

そのようなスペシャルティコーヒーに踏み込んで15年16年になりますが…ここ数年ブラジルの魅力をもっと生かしたいと思っています。

ブラジルには伝統的に甘さとマウスフィールの魅力がありますが…スペシャルティコーヒーのトレンドの中で…これがブラジル?と思うような華やかな香りやきれいな酸味のマイクロロットが活躍するようになりました。

さかもとこーひーでも、その新しいブラジルの魅力に驚き、お届けしてきました。そのような魅力は勿論素晴らしいのですが…もっと伝統的な魅力もお届けしたいと思うようになり…最近はブラジルのナチュラル式できれいな味わいの素晴らしい素材が手当できるようになったので、ブラジルのナチュラル式を使うことが増えてきました。しかし、そのような素材はマイクロロットと言って、少量ロットなので、年間安定しては使いづらいのです。

と、言うのも…さかもとこーひーは通販が多いので…そのような常連さんはスペシャルティコーヒーに興味があったり、さかもとこーひーのお届けする魅力を気にいって頂いていたりなので良いのですが…おゆみ野店のご近所のお客様は…詳しく無いけれどコーヒー好きで…酸っぱく無くて、甘くて、苦く無くて…特別で無くていいから普通に美味しいコーヒー…そんなコーヒーを求める声が多いんです。

まぁ、僕としては普通じゃない魅力を長年追いかけているので、なんとも複雑な気分になりますが…。

そういったお客様には…きれいな味わいで、甘さと円やかな口当たり、心地よい余韻、コーヒーらしい香り…そんなこーひーお勧めしたいんですが…さかもとこーひーちょっと際立った魅力にフォーカスしているので…そういったお客様のお好みにあったりあわなかったり…。

で、やっと…きれいな味わいで、甘さと円やかな口当たり、コーヒーらしい香りと心地よい余韻のブラジルを手当できるようになったんです。

こういった素材、ほんと無いんです…たまにあっても年間安定して使えない…ここにたどり着く迄3年5年かかりましたね。

スペシャルティコーヒーの基準に「クリーンカップ」という基本になる項目があります。中米のコーヒーに比べて、ブラジルはクリーンカップでハンデを負っていたんです。それは生産量の多さだったり、収穫や精選処理の工程だったりによるものなんですが…それがスペシャルティコーヒーの基準によってクリーンカップが向上しました。

しかし、とっても手間がかかりますから、マイクロロットといった少量生産の豆に限られてしまいがちです。で、安定したロットになると、そのクリーンカップのレベルに問題があることが多いんです。

そこをクリアーしたいと思って色々動いていたのですが…暮れか年初めから使えるようになりました。

息子が去年今年と訪問した(来年も行かせる予定ですが)グアテマラ・エルインヘルト農園のようなスペシャルティコーヒーの頂点の魅力をお届けしつつ…グアテマラ・エルインヘルト農園の豆を今年はブルボン、イエローナンス、トラディッショナル、ゲイシャ、パカマラとたぶん全種類手当できました…普通の美味しさ、まぁとびっきりの普通のコーヒーらしい美味しさでしょうか、も少し時間かかりましたが、お届けできるようになりました。

さかもとこーひーの常連さんの日常の暮らしをこーひーで少し心地よいものにしたいと思うと…とびっきりの際立った魅力だけでなく…とびっきり普通の美味しさも大切だと思ってます。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2016.09.18

プロのつぶやき865「ルワンダ・カナジ、ケニア・ガツゥブ、ベラ・ノッテ」

20160918

プロのつぶやき865「ルワンダ・カナジ、ケニア・ガツゥブ、ベラ・ノッテ」

9月半ばを過ぎて台風だったり、曇り空のなかの十五夜だったり…なかなか秋晴れとはいきませんが…先週の土曜日の難波弘之さんの鍵盤生活40周年記念ライブの後は…月曜日の定休日朝7時に出て来月オープンするお店の焙煎のサポートに行き夕方には無事仕上…火曜日は銀座でセミナー…水曜日は午前中近所でのこーひーレッスン、夜は国立演芸場で立川談笑師独演会…金曜土曜はTVでデビスカップやボクシングのタイトルマッチと…仕事と趣味でゆっくりできませんでした…来週は家でゆっくりしようと思ってます。

そうそう…先日常連のお寿司屋さんが天然鰻が漁師さんから入ったと知らせてくれて…格安普通のお値段だったのでお土産にしてもらい頂きました。戦前戦後は千葉のこの辺でも鰻取れてたと聞いてましたが…今でも取れるそうです。花見川河口だそうで…鶏とジビエの違いといったら良いでしょうか…柔らかくも無く固くも無く脂っぽく無く…味わい深く…タレも焼きも良く…美味しい経験になりました。これから果物もお菓子も食事も美味しい秋本番…食欲の秋芸術の秋…こーひーも色々な魅力が楽しいです。

そんなこんなで…秋に向けてのこーひー3つをご紹介します。

まず…フローラル系の柔らかな魅力「ルワンダ・カナジ」…円やか豊かな香りと味わい「ケニア・ガツゥブ」…秋の深煎り人気NO1「ベラ・ノッテ」…お楽しみください。

【ルワンダ・カナジ】

ルワンダらしい柔らかさ優しい魅力いっぱいです…フローラルな香りと柔らかで優しい口当たり…フローラルさやフルーツな甘さと余韻、素晴らしいと思います。

アフリカの小さな国ルワンダの「ルワンダ・カナジ」です。ルワンダのこーひーをご紹介してもう6年位になりますので…その柔らかな口当たりと甘さ、余韻はすっかりお馴染みになりました。

シルキーマウスフィールと呼ばれる繊細な口当たり…冷めてくるとフローラル感にオレンジやラズベリーのようなフルーティさ…そのまま柔らかで上品な甘さと一緒に華やかな余韻が長く心地よいと思います。

優しい味わいの生クリームのケーキやシフォンケーキ、ムース、チーズケーキ、サブレやクッキー…とっても合うと思います…華やかさと親しみやすい柔らかな味わいですので…こんなこーひーあるんだとギフトにもお勧めです、お楽しみください。

水洗処理場: RMC-Kanazi

地域: Southern Mountains, Huye

標高: 1800-1980m

品種: ブルボン

面積: 6Ha

Kanazi コーヒーが生み出される南部、フエ山の1900mに及ぶ高地はルワンダの中でも特に高品質なコーヒーがもたらされる産地として有名です。数多くのシェイドツリーが農地に植えられており、生態系のバランスのとれた環境は病害虫を食べる動物類を育み、結果として収量の増加をもたらすなど、理想的な農業が営なまれています。コーヒーパルプや動物類からもたらされる肥料は有機農業的な側面を兼ね備え、周辺環境への負荷が少なくサステナブルな運営ともなっています。収穫される果実は完全に熟した実のみ摘み取られ水洗行程へと送られます。乾燥は12日間行い、一般的に理想とされる水分量は12%程度に保たれます。Kanazi 農協は長年に至る研究の末、収量の少ないマイクロロットへの転換を決断しました。それによりコーヒーのフレーバーはより特徴的なものとなり、COEにおいても高得点を得られるほどの完成度を備えることとなりました。

2000円/250gパック(税抜き)

【ケニア・ガツゥブ】

「ケニア・キイ」に替わっての「ケニア・ガツゥブ」のご紹介です。ケニアらしい円やかで豊かな香りと味わい、余韻が魅力的です。

ひと口目から円やかで豊かな味わい、おいかけてくる香り…シトリック系にフランボアーズやクランベリーがおいかけてきて…余韻ではアールグレイのような印象もあります。柔らかな酸味は甘さに包まれ…円やかさと余韻を引き立てています。

10数年前にケニアのトップクオリティコーヒーを使い始めた頃は…柑橘系の香りや味わいが豊かな魅力に感動しましたが…その豊かさからお好みが分かれることがありました。ここ数年は毎年たくさんのサンプルから柔らかな甘さと酸のバランスが心地よいロットを選び…その素晴らしい魅力がどなたにも安心してお勧めできるようになりました。

この「ケニア・ガツゥブ」だけで味わっても魅力的ですが…フルーツやチョコレートのケーキと一緒に味わうとさらに魅力が際立ってきますね、お楽しみください。

品 種: SL28、K7 等

栽培地: ムランガ地域西部 カンゲマ地区 ガトゥブ水洗工場

アバデア山脈の麓

収穫量:80トン

標 高: 1,750m

土壌: 肥沃な赤色の沖積土

雨量:1,500~2,100mm/年

収穫時期: 10月~12月

生産処理:

1 工場周辺の生産者が収穫したチェリーを工場に搬入

2 赤い実のみを手選別 (右下写真)

3 工場所有の水流比重選別方式でパルピング、発酵、ソーキング(きれいな水に浸ける。)、水洗

4アフリカンベッドで天日乾燥、脱穀工場でドライミリング後、精製

ケニアは世界の中で最も優れたコーヒーを生産する国の一つとして知られています。トップクラスのロットには、ワイン、フルーツ、スパイスの様な香り、良質な明るい酸味、ボディ、甘味があり、他国のコーヒーとの違いが明らかに分かります。ケニアでは昔ながらの伝統的かつ丁寧な生産が行われております。村の中に水洗工場があり、そこに生産者がチェリーを搬入します。搬入前に写真右のようにチェリーの手選別をしなければなりません。その後、水流比重選別式パルパーによる皮むき、発酵工程、ソーキング(綺麗な水に一昼夜浸漬)、水路での水洗、アフリカンベッド(棚)でのパーチメントの天日乾燥及び欠点豆ハンドピック、パーチメントの安定化(30~40 日程度木製サイロで寝かせる工程。風味の安定の為実施。)を経て、脱穀精製されます。栽培、施肥、農薬など水洗工場から指導を受けているかどうか、実行しているかどうかが、品質に大きく影響します。また各農家は農地1ha 以下、収量は生豆換算 2-3 袋程度で、更に支払いも半年以上先になるので、現在の価格レベルでも他の作物に比べて魅力が少ないという現状があります。なおケニアでは年2回の収穫期があり、大きな収穫であるメインクロップ(9月~12月)、サブのフライクロップ(5~7月)となっています。一般的にケニアの特徴が豊な品質の高いものは、メインクロップから出ることが多いようです。 ケニアのロット全てが良質な特徴を持つケニアコーヒーではありません。品質にはかなりの格差があり、品質マインドの高い生産者、栽培、施肥管理、収穫、生産処理、選別が大きく影響します。 良質なロットの選抜には多大な労力を要します。ガトゥブ水洗工場はムランガ地域に位置し、高品質コーヒー産地で有名なニェリ地域とキリニヤガ地域に隣接するコーヒー産地です。ナイロビから北西に120kmの場所に位置します。近年コーヒー価格が安定、農地への施肥や樹の管理も良好で、品質の向上が目覚ましい注目の新興エリアです。ガトゥブ水洗工場は、1965年に小規模生産者によって設立されました。近くを流れる Mathioya 川の豊富な水源を利用し、丁寧に水洗処理を行っています。また、この地域は野生動物や植物の自然保護区にも位置しており、コーヒー生産に適した豊かな自然環境が整っています。オレンジ系の酸と甘味、バランスするリッチなコクをお楽しみください。

1800円/250gパック(税抜き)

【ベラ・ノッテ】

2001年にデビューしたさかもとこーひーを代表する16年目の季節のブレンド「ベラ・ノッテ」…こーひーで常連のみなさんの暮らしに季節感を感じて頂きたいと思って作りましたが…「ベラ・ノッテ」で秋を感じるみなさんが増えています。

以前の「ベラ・ノッテ」ご紹介文…「1993年の秋でしたから、そう、もう、8年も前になるんですね。《シーズンズ・グリーティングス アンド・モア》達郎のクリスマスシーズンに向けてのひとりアカペラとオーケストラをバックにしてのアルバムです。」…2001年に「ベラ・ノッテ」を発売した時の書き出しです。その《シーズンズ・グリーティングス アンド・モア》がこの夏に20周年リマスターで発売されました。

「そのアルバムの2曲目に、『♪This is the night,it's a beautiful night~♪』ではじまる綺麗な歌詞とメロディ・・・。それが『Bella Notte』 でした。1955年僕の生まれた年のディズニー・アニメ映画『わんわん物語(Lady & The Tramp)』の挿入歌です。子供の頃に見た思い出とスタンダードになっている名曲なので、度々聞いて、馴染んでましたが、達郎の見事な歌い上げで益々好きな1曲になりました。『Bella Notte』とは、イタリア語で『美しい夜』という意味だそうです。」…お陰さまで、さかもとこーひーを代表する季節のブレンドになり…「ベラ・ノッテ」を発売すると、毎年「あぁ!もーベラ・ノッテの季節ねー」といった感じで、常連さんの暮らしに馴染んでいます。

「それから、毎年毎年、秋から冬にかけて繰り返し聞くうちに、あぁ、良いタイトルだな~♪と思い始めました。いつか『Bella Notte』というブレンドをつくりたいな~!秋から初冬にかけて澄んでいく空、輝きをます星、ピ~ンと張りつめる冷気、深い闇・・・そんな『美しい夜』のイメージです。」…深煎りのブレンドというと当然苦味のキャラクターになりますが…ちょうどスペシャルティコーヒーの素晴らしい素材に出会った頃で…深煎りでも透明感のある、後味のキレの良いブレンドを作りたいなぁーと思いました。

今年の「ベラ・ノッテ」は…深グアテマラ、深エルサルバドル、ケニアのブレンドで…最近深煎りのご注文が増えているので…少し深煎りの感じを強め、なおかつ円やか滑らかさのバランスに仕上げました。

深煎りのグアテマラをメインにして、エルサルバドルを使い、そしてケニアで後味のキレの良さを出します。深く円やかな味わい、甘い苦味、キレの良い後味、香りはやさしく華やかさもあって…こんなイメージです。深煎りのブレンドですが、苦味よりも円やかさきれいさ味わいの深みの魅力をイメージしています。

初秋から晩秋…初冬から厳冬…グアテマラ、ケニア、エルサルバドルを使って微妙にブレンドを変えていきます。季節の人気ブレンドになった「ベラ・ノッテ」をこれから約半年…お楽しみください。サブレやマカロン、リッチな味わいのパイや勿論チョコレート系のお菓子、フルーツたっぷりのお菓子、シュークリームやエクレアにもご機嫌な組み合わせになると思います。

1500円/250gパック(税抜き)

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2016.09.11

プロのつぶやき864「フォーカスと集中」

Img_3662

プロのつぶやき864「フォーカスと集中」

雨が多かったり…日中はとても蒸し暑かったりですが、朝晩はだいぶ涼しく心地よい陽気になってきました。雨が降っていない朝は…息子に先に車で店に行かせて、僕は30分弱歩いて通勤するようにしています。途中の田んぼが稲刈りはじまっています…台風で稲が倒れかけていましたが、なんとか大丈夫だったようです。

昨晩は達郎のバンドでキーボードを長く担当している難波弘之さんの鍵盤生活40周年記念ライブに行ってきました。18時開演で休憩はさみ終わったのが22時半…4時間半というお腹いっぱい楽しさマックスのコンサートでした。

難波さんのプログレバンドSENSE OF WONDER と出ずっぱりで…最初のゲストBurryさんはそのままギター最後まで弾きっぱなし…玲里ちゃんは流石の歌声で素晴らしいし…高嶋政宏さんはプログレマニア全開…シークレットゲストの達郎はUKロック畑のバックにブリティッシュロックを機嫌良く、楽しんで歌ってました。プロが趣味的に楽しんで最高に楽しくて豊かな大盛り上がりな時間でした。難波さんと達郎の「青い影」プロコルハルムはジーンときて遠くなった10代が目の前に現れました。

そんなこんなで…錦織圭の全米オープンが終わり…いつもの生活リズムに戻ります…素晴らしい結果でした、マレーに勝ってのベスト4…ワウリンカ戦は流石に疲れきってしまったようです。しかし、毎年確実にステップアップして、その努力が伝わってきます。

解説やインタビューのなかで…フォーカスと集中の話しがでました…あと、Calmとフォーカスという話しも出ました。Calmはさかもとこーひーの紅茶カームデイズと重なりますが…この場合は冷静の意味が強いようです。

スポーツではよく集中集中と言いますが…僕はそんな集中って言われてもうるさくて集中できるか!!って思ってました…だから弱かったのかもしれませんが…で、集中と言っても…何に集中するのか?そこが大切なんだよなーとも思ってました。

そこにフォーカスという言葉が出て来たので…そうそう、フォーカスなんだと手を打ちました。フォーカスならばどこにフォーカスするのかに集中しますからね。

カッピングの場合…勿論、味や香りに集中するのですが…どこにフォーカスしてカッピングするのかで感じられるものが全く違ってきます。

味わいのきれいさにフォーカスするのか?…甘さや口当たりにフォーカスするのか?…酸味の質やボリューム、キャラクターにフォーカスするのか?…余韻の心地よさや長さにフォーカスするのか?

焙煎のサポートのカッピングの場合は…初期の火力はどうか?…水分抜きはどうか?…ロースティング工程でのカロリーの過不足は?きちんと成分がデベロップしているか?…ロースティングポイントは的確か?…それぞれにフォーカスしてカッピングしています。

素材のカッピングの場合は…基本的なことをカッピングして…さかもとこーひーのお客さんにとって魅力的かどうか?どういう魅力をお届けできるのか?…そのフォーカスが重要だと思ってます。

カッピングというとフローラルとかシトリックとかベリー、チョコレート等々香りを表現することに最初にフォーカスしがちですが…香りばかりにフォーカスしていると…基本的な味わいのきれいさや甘さや口当たりの心地よさを見逃しがちになってしまいます。

香りはとってもデリケートですし…ひとりひとり敏感さも違いますし…敏感な香りも違います…ですからこのコーヒーはこんな香りがあってと言ってもピンとこなかったお客さんは???になってしまいます。

しかし、雑味があったり、口当たりが薄かったり、重かったり…そういった感じはわりと多くの方が同じように感じられると思ってます。きれいな味わい、心地よい甘さや華やかさ口当たりや余韻、そんな魅力は伝わりやすいと思います。

なので、そういった基本的な味わい、美味しさにフォーカスしてのカッピングを息子には教えていて…少しずつ細かい部分まで感じて表現するようにステップを踏ませています。

昔から集中よりも…何にフォーカスするかを重視してきていましたが…勿論、そのフォーカスするものが的外れでは残念ですけれども…マイケルチャンや錦織圭の話しにでてきたので…ガッテンした次第です。

そうそう、プロのつぶやき862「さかもとこーひーが一番美味しい時…。」でサンク・オ・ピエのディナーでのこーひーの美味しさについて書きましたが…その常連さんから…ブログをみて、デザートにたどり着くまでの料理やワインの流れもイメージしていることについてとっても嬉しいメールを頂きました。

とっても、励みになります!! まぁ、これは達郎がゲストに呼ばれて好きなブリティッシュロックばかり楽しく歌うのと似ていて…自分の土俵では無いので、食事に脇役として何が出来るかにフォーカスしているんです…レストランやカフェの役にたてるのは楽しい仕事です。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2016.09.04

プロのつぶやき863「焙煎の火力のポイント」

Img_3646

プロのつぶやき863「焙煎の火力のポイント」

9月になりました…先日の台風は千葉を逸れましたが、東北北海道に大きな被害をもたらせて自然の脅威に驚いています…熊本の地震もまたありましたし…一日も早く平穏な日常に戻れるように願っています。

爽やかな秋が待ち遠しいですが…おゆみ野店では同世代の常連さんが来られると…60代は人生の秋と言うそうで…と切り出して「はじまりの秋」を試飲して頂きながら話しをしています。

埼玉の女性の常連さんは…あと少しで60代に突入されるそうで「はじまりの秋」を楽しみにしているとご注文がありました。四季のなかで秋が一番お好きな季節だそうで、ならば人生の秋も一番好きになります。僕も秋が一番好きなんで…そうかー♪一番好きな季節がはじまるんだとポジティブな気持ちになりました。

年々体力弱まるし、特に眼の疲れを感じるので、なんだかなーという気分もあったんです…まぁ、他は元気なんですけどね…腰も膝も悪く無いし…。

そんなこんなで…サポートをしている開店して1年位の人から…8月の終わりになってロースティング工程の終わりのほうで温度上昇のスピードが遅くなって火力を強め、なんとか基準の時間にしたんだけれども…酸が気になるのでチェックし欲しいと相談がありました。

で、さっそくその豆とデータを送ってもらいカッピングしたんです…それほど悪く無く焙煎できているのですが…少し甘さやマウスフィールが弱いんです。酸は特に強く無いんですが、甘さやマウスフィールの弱さで酸のバランスが少し気になるんでしょう、デベロップ不足です…カロリーが不足して成分の化学変化が望んでいるよりも不足しているんですね。

で、データを見ると…170℃からの火力が気になりました。焙煎は乾熱調理で170-180℃から200℃でのカロリーのかけかたを大切なポイントと考えている事…さかもとこーひーでは夏になって火力を落とす時でも、170℃での火力は落としていない事を話しました。

170-200℃位の温度帯での化学変化が乾熱調理のポイントのひとつなので…170℃からのロースティング工程の時間が一緒でも…後半で火力を上げて追いついても、170-200℃での成分のデベロップが不足していると、あとからは取り返せないんじゃないかなと…。

で、170℃での火力を少し上げてもらったら…結果はとっても甘さやマウスフィールが出て来て香りも際立ってきたと、ご機嫌な声が返ってきました。

焙煎は短時間焙煎だったり、長時間焙煎だったりと…色々な考え方がありますが…時間と言っても焙煎する量によっても違いますし…焙煎機によっても違ってきます。

焙煎は手段で、焙煎機はツールです…要はどういった美味しさにしたいのか?そこから逆算しないと意味が無いと思ってます。美味しさをイメージできる力でしょうね。

素材のカッピングスキルがいくら高くても、スコアをつけられても…ロースターとしてはそれだけでは焙煎はできません。美味しさをイメージしてのカッピングスキルが必要です。インポーターより求められるスキルが多いですね。

秋冬に向けて…こーひーレッスンの予定が入って来ていますが…プロ向けの焙煎のサポート依頼も続いています。素晴らしい素材が手にはいる恵まれた状態になっていますので…それを焙煎によって魅力的なコーヒーにして、もっとたくさんのみなさんに楽しんでもらえるようにしたいですし…そんなサポートも60代の仕事のひとつかなと思ってます。

そうそう…先日蜂蜜屋さんに寄って…オレンジや蜜柑、栗の蜂蜜は前から好きなんですが…さくらんぼとラズベリーの蜂蜜を見つけ買って来ました。

パンやヨーグルトと一緒に頂いていますが…「グアテマラ・サンタクララ」はグアテマラ特有のハニーライクさがそれほど強くないので…さくらんぼとラズベリーの蜂蜜をそれぞれ加えてみたら…これが上手くいって、より華やかに美味しさが増しました。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« August 2016 | Main | October 2016 »