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2017.06.04

プロのつぶやき902「焙煎の考え方」

20170604

プロのつぶやき902「焙煎の考え方」

プロのつぶやき900回記念で…以前に書いたことをあらためて書いています。6月になりました朝の徒歩通勤は気持よい季節ですが…昼間は暑くなってきました。

日によって暑かったり涼しかったり差があるので…焙煎の温度や火力に気を使う季節です。

そんなこんなで…今回は「さかもとこーひーの焙煎の考え方」です。

先日、大豆の焙煎の相談があって…その大豆のテスト焙煎は焦げているだけだったのですが…ようは美味しいと感じるように焙煎するわけで…焙煎する人の味覚レベル以上の焙煎はできません…どんなに素材が素晴らしいものでも、その魅力を生かしきっていなくても、焙煎する人がOKだしたらそれまでだと話しました。

なので…大豆を焙煎してたんなる新しい商品と考えるのか…大豆の焙煎によって大豆のどういった魅力をお客さんに届けたいと考えるのか…その為には、焙煎のどこをどうするのか…そんな話しになりました。(大豆のお茶やコーヒーといった商品にしたいらしいです。)

さかもとこーひー開店してこの夏で24年…焙煎は紅茶の店テ・カーマリーの頃に1日10杯位のコーヒーは手網焙煎を7年8年位していました。さかもとこーひーになって深煎り自家焙煎(中煎りもありましたが…。)を6年7年…スペシャルティコーヒーに出会って17年18年…なんだかんだスペシャルティコーヒーの素材の焙煎が焙煎キャリアの半分以上になりました。

自家焙煎店の方々には…未だに昭和の自家焙煎を続けている方もいるし…若い方には最初からスペシャルティコーヒーの素材しか知らない方もいます。勿論、それぞれに魅力がありますから、どちらでも良いのですが…。

ただ、同じコーヒーという言葉や飲み物、豆であっても…その魅力の違いが大きいので…一緒には出来ないというのは抑えておきたいです。

焙煎は飲む人が美味しいと感じるように、過不足無くカロリーを与え焙く、乾熱調理だと思っています。

さかもとこーひーでは…焙煎初期、水分抜き工程、ロースティング工程、ロースティングポイントと過不足無くカロリーを与える基準を作っています…排気のバランスも大切ですね。

で、いくらデジタル化やデータが進んでも、結局は人間の味覚が判断するしかありません。勿論、OKだした焙煎をデータで再現しやすいので利用価値あります。で、そのOKだす人の味覚レベルが低かったら、本来NGの焙煎であってもOKになってしまいます。

そこが味覚仕事の悩ましいところです。

いくら、キャリア実績のある昭和の自家焙煎店であっても、新しいスペシャルティコーヒーの理解が浅ければその魅力を生かすことはできません…しかし、本人はそこに気がつかないのです。

ポテンシャルの低いコモデティレベルの素材でいくらキャリアを重ねても、ポテンシャルの高いスペシャルティコーヒーの魅力を生かす焙煎はできないと思います。

ましてや…コーヒー業界は抽出大好きな人が多く…淹れ方に工夫しているのは、その豆の欠点の味わいを抽出しないようにしていることが多いと思ってます。粗挽き、湯温を下げる、細くドリップ、蒸らし…成熟した技術ですが…やはり不味さを出さない工夫に思います。

すると…その抽出を前提とした焙煎になってしまいます…元々はその豆を前提として工夫した抽出なんでしょうけれども…。

スペシャルティコーヒーの素晴らしい素材を使っているのに…カフェプレスで粗挽きで、湯温工夫して、お湯の注ぎ方まで工夫しているお店があります。まぁ、カフェや喫茶店では家庭では出来ない淹れ方が売りになりますから…それもありなんでしょうが…それでは家庭では気軽に楽しめません。

ホームこーひー、ホームタウンこーひーを大切にしているさかもとこーひーでは…カフェプレスでも、コーヒーメーカーでも、ドリップでも…コーヒーバッグでも…気軽に美味しく楽しんでもらえるようにというのが大切なんです。

さかもとこーひーは…細挽き、95℃以上の熱湯、ドリップは蒸らし無し、細く注がない、豆は少なめ…をお勧めしています。これで、冷えきっても美味しいのがさかもとこーひーの基準なんです。

冷めて美味しいコーヒーって世間には少ないようです…卸先のシェフの方何人かに最近言われて説明しました…熱さは刺激なので、味覚が感じづらくて…冷めるときちんと感じやすくなるようですと…冷めて不味いのは素材か焙煎に問題があると思ってます。

最近は…セブンイレブン、マクドナルド、ドトールコーヒーとそれぞれのお店の美味しさが伝わってきています。コモデティコーヒーにスペシャルティコーヒーのカッピングメソッドの影響を感じています。

そこそこの素材ならば焙煎が多少ぶれてもそれほど大きな影響は少なくて…大きな工場は技術が成熟して安定した焙煎できると思いますが、それはコモデティの素材の場合で…スペシャルティコーヒーの際立つ魅力をいかせるわけでは無いと思っています。

いくデジタル化が進んでも、最終的に判断するのは人間の味覚で…人が飲んで美味しいとか感じるわけです。

スペシャルティコーヒーの際立つ魅力、ポテンシャルの高い素材は…焙煎の少しのブレが大きく影響し、きちっと焙ければ素晴らしいですし…ぶれたらマイナスも大きいように思っています。

お客様にも、それぞれのお好みがありますから…そのお好みに向けた魅力が必要です。

と、言う事で…焙煎は生豆と焙煎機だけでは出来ない…クオリティの高い生豆には焙煎する人の味覚のレベルアップが必要で…飲む人がどう感じるかに向けた味作りが仕上になると…考えています。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。

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