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2017.11.26

プロのつぶやき927「クリエイティビティの正体」

20171126

プロのつぶやき927「クリエイティビティの正体」

先週の日曜日、仕事終わってからお茶の水にひとっ飛び…ジャズのナルに土岐英史4days最終日行ってきました。今お届けしている「アフター・ダーク」は土岐さんの曲からインスパイアされたんです。

メンバーは片倉真由子佐藤恭彦奥平真吾市原ひかりと最高にご機嫌で…最初から最後まで素晴らしく…今年は達郎ツアー、クリヤマコトアコースティックウエザーリポート、鈴木雅之そして今回と圧倒されまくりのライブに恵まれました。

で…「レディ・トラベラー」という曲を聴いていて…新しいブレンドが浮かんだんです。「レディ・トラベラー」は市原ひかりさんの中音域の音色がすごくいいのでその音が生きるように土岐さんが作った曲で…市原さんのフリューゲルホーンの柔らかできれいな音、土岐さんの深く艶っぽい音、それぞれのソロも素晴らしく、さらに重なった音の響きは涙ものだったんですが…ふっとブレンドイメージできたんです…まぁ、仕上がったらお届けします…フリューゲルホーンとアルトサックスのブレンドです。

先日も…幕張本郷サンク・オ・ピエのボージョレ・ヌーボーコース用のブレンドを送り…津田沼ラシェットMの冬用ブレンドも作りました。

サンク・オ・ピエのボージョレ・ヌーボーコースのデザートは…岩手県産山ぶどうのソルベ、レーズンとクルミ入りアーモンドケーキ、カシス風味の生チョコ・パヴェ…山ぶどう、レーズン、カシスとクルミ、アーモンド、さらにチョコレートこのような要素にバランスを合わせてブレンドしていきました。

ラシェットMは夏頃からブレンドしてお届けしているんですが…シェフと色々とお話しをしてラシェットM専用のブレンドを作ったら気にいってくださって…その時にシェフから寒さに震えるような冬向けのブレンドをとリクエストを頂き…そして、ラシェットMの常連さんはデザートワインや食後のリキュールを飲まれる方がいると聞き…それならこうだろうとブレンドしました。

まぁ、60代になり…こうやって、好き勝手に色々な味わい、魅力を作れるようになって、とっても楽しい仕事になっていて…43年味の仕事…しかもコーヒー紅茶といったとらえどころの無い仕事をしてきて…恵まれていると実感しています。

で、なんか最近はあれこれ考えなくても、勝手にというか自然にブレンド、マリアージュ、ペアリングが浮かんで出来てしまいます。

焙煎やカッピング、商いについて定期的にアドバイスしている同業の後輩達がいますが…新しい素材やロースティングポイント、ブレンド等のカッピングで…修正することがパッと浮かんできます…なんか不思議な感覚なんですね…この5年くらいでしょうか。その前も同じような仕事できていましたが…もう少し理屈を踏まえていましたが…気がつくと理屈は後追いで説明する時くらいになってました。

そんなこんなで…発売を待っていた「勝てる脳、負ける脳 一流アスリートの脳内で起きていること」内田暁 小林耕太著が届き一気に読んだんです。

内田暁さんは錦織圭を中心にテニスの記事を書いている方で…その内容がとても面白く、楽しみにしているんです。小林耕太さんは神経科学神経行動学が専門だそうです。

一流アスリートと脳の話しで…その中に「クリエイティビティの正体」という項目がありました。

-その場で創造されたように見えるスーパーショットも、プログラムとして無意識に引き出せるレベルまで昇華されていなくては絶対に試合中に打つことは出来ない…練習でやったことがないプレーは、試合では絶対に出来ない…重要なのは、反復練習、あらゆる状況を想定し、繰り返しショットを打つ

-試合では何も考えなくても身体が反応するようになる…そして、試合で得た課題を練習に持ち帰り、練習する…その質のためには、戦術をよく理解した指導者が必要…練習量が必要なんだけど、たんなる練習量だけでは限界が早く、厳しい練習の累積時間が求められるということになります。

そのためには…目的意識と向上心を持ち、自分ができないことにこそ集中的に取り組み、不断の努力を積み重ねていく、

このような練習を…「デリバレートプラクティス計画的な訓練」と称し、他の練習とは明確に区別しているそうです。

一流のミュージシャンを観ていても…いつもその超絶的なプレイや創造性がどうやって出来るのか?不思議ですが…同じことでしょう。

昔から「量稽古」と言いますが…基本は練習量で…成長曲線がありますので、一定のレベルになると成長が加速されます。しかし、レベルアップするとそこに壁が現れます。

そこからが壁を越えるか越えられないかのポイントになりますが…「デリバレートプラクティス計画的な訓練」「厳しい練習」の累積時間が求められますね。

その「デリバレートプラクティス計画的な訓練」「厳しい練習」…を支えるモチベーションが必要ですが…毎日が同じことの繰り返しの中に新鮮な報酬を見出す能力があるかどうかもポイントになりますね。単純なトレーニングの中の小さな違いや成長、疑問が見えるとそれが喜びやモチベーションに繋がっていくでしょう。

専門的なカッピング、焙煎、ブレンド、マリアージュ等で…後輩から見ると…かなりな応用問題を解いているように感じるようですが…僕の中では基本の範疇でしか無いというか…基本の延長なんです。

基本の広さ深さの違い…基礎基本の中に何を見ているか?何が見えているか?…その違いを感じる人と、基本かぁーということで疎かにしてしまう人の違いは大きいと思います。

その先には…チャンキング-未来を知る力…先を読むチェスの上級者やアスリートが持っている力の可能性が見えて来ます。

それは、それまでに蓄積してきた膨大なデータであり、リアルタイムで起こっている事象と過去のデータを瞬時に重ね合わせる検索能力であり…リターンの名手たちは、相手がサーブのフォームに入ったその瞬間に腰や胴の動きを見ているという、その視覚的情報を膨大なデータと照合し、最もありえるサーブのコースを弾き出すことで240キロのサーブを打ち返しているということだそうです…身体能力だけでは打ち返せないのです。そこにスーパーショットの世界が生まれるようです。

素材や焙煎、ブレンドのカッピングでも…見ているところが違うことを感じています…勿論みんなカッピングの基礎は出来ていての話しです…ブレンドは頭の中で8割方できてますしね。

商売でも同じように感じています…飲食業や異業種の若い経営者と話すと、見ているところが違いますね。商売なので…みんな売上げを見ています…さかもとこーひーは売上げほとんど見ていないんです。さかもとこーひー「売る意識」無くしてます…すると、25年目になってもまだ安定して微増が続いています。まぁ、急成長は出来ないし、求めてもいないのですが…。

そうそう…時々飲食の好き嫌いを聞かれることあるんですが、その時は何でも好きですが、不味いもの嫌いですって答えてます。

若い時からコーヒーや紅茶だけで無く…お酒お菓子洋食和食…取りあえずあまりにも高額で手が出ないもの以外はひたすら食べて飲んできましたが…その経験の抽き出しが増えて…リアルタイムで起こっている事と過去のデータを瞬時に重ね合わせる検索能力になったって感じなんでしょう。

「クリエイティビティの正体」が垣間見えてきました。

膨大な過去のデータ抽き出し…リアルタイム目の前のデータ…テーマお題…常連のお客さん…瞬時に重ね合わせる検索能力…60代に仕事の全盛期を迎えられるよう目ざして来ましたが…楽しい60代を過せそうです。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。

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