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2019.03.10

プロのつぶやき993「ブラジル・パッセイオからイメージするブレンド作り」

20190310

プロのつぶやき993「ブラジル・パッセイオからイメージするブレンド作り」

今朝12.5℃でした・・・ほんの数日前は昼間は暖かくても朝は4℃とかでしたから・・・やっとゆったりとした気分の朝になります・・・まぁ、毎朝の気温変化で焙煎には気を使う季節ですが・・・朝10℃越えると冬が終わった気分で嬉しいです。

昨日土曜の午後は千葉市弁天のマイヨジョーヌさんとのコラボレッスンで・・・シェフがいちごのババロワのデモンストレーションをして・・・いちごのババロワとプティポショコラのデザートに桜ぼんぼりカフェとカフェフィガロを淹れて・・・こーひーの話しをしながら女性の参加者の皆さんと楽しみました。

急遽、J:COMの取材撮影が入って・・・写真やビデオが苦手なので少し緊張しましたが・・・桜ぼんぼりカフェをひと口・・・ババロワをひと口・・・桜ぼんぼりカフェをひと口・・・その瞬間の皆さんの「え~~~~♪」という笑顔と声が嬉しいです。そのままプティポショコラとカフェフィガロでも同じで・・・次に、桜ぼんぼりカフェとプティポショコラ、カフェフィガロとババロワと逆にすると「あれぇ~~~~!!」って感じで・・・お酒と料理のペアリングは経験豊富でも・・・デザートとこーひーのペアリングははじめてだったそうで・・・とっても盛り上がりました。

そんなこんなで・・・近所の常連の奥さんと、試飲のブラジル・パッセイオの素晴らしさを話してして・・・紅茶っぽい感じとのご感想を頂き・・・紅茶は発酵の魅力なので、ナチュラル式は発酵の欠点が出来やすいんですが、このブラジル・パッセイオは完熟度合いの揃いが素晴らしいので、発酵の欠点は無いが、ナチュラル式の完熟の魅力に紅茶的な魅力が潜んでいると説明しました。

水を使った比重選別が出来ないナチュラル式はクリーンカップにハンデがあって・・・20年くらい前、スペシャルティコーヒーのムーブメントの時、カップオブエクセレンスのコンテストではクリーンカップが前提なので・・・水を使うパルプトナチュラル式がまず注目されました。

そこから伝統的なブラジルのナチュラル式には無いクリーンでフローラルな素晴らしい豆が活躍して、それらに驚き感動したものでした。

その後、ブラジルのスペシャルティコーヒーをリードする生産者の皆さんは、ブラジルの伝統的なナチュラル式でのクオリティアップに努め、徹底した選別を進め・・・レイトハーベストのコンテストが行われるようになり・・・さかもとこーひーでもこの5年10年ブラジルのナチュラル式を扱うことが増えていました。

ブラジルのナチュラル式にはマウスフィールや甘さ、コク、余韻に特有の魅力があるので・・・それをクリーンな味わいに生かしたら、中米やアフリカの産地とは別の際立つ魅力の可能性があると思っています・・・そして、このブラジル・パッセイオの見事に揃った完熟度と洗練されたブラジルのナチュラル式の魅力に感慨深く思ったのです。

勿論、今人気のエチオピア・モカナチュラルも徹底した選別による完熟度合いの揃いによって・・・他にない際立つ魅力がありますし、それが常連さんに評価されて嬉しいです。

数日前の常連さんからのメールに・・・「前回頂いた『モカ・ナチュラル』が実に美味でした!ボディーのある赤ワインのように酸味と果実香が程よく、色までもが深紅に見えてきました。」・・・と、コメントがあり・・・とっても励みになりました。

そうそう・・・紅茶っぽいとご感想いただいた常連さんから・・・最初の焙煎の時に何回かテストするのか?とも聞かれて・・・いえいえ、昔は何回かテストすることもありましたが、今は1回で決めます・・・失敗は?・・・ありませんね。

サンプルのカッピングでその豆のスペックは把握しているし・・・その魅力をどのようにするかイメージも出来ているので・・・あとは実際に焙いて行き、検討つけたロースティングポイントの手前から頻繁に香りをチェックして、香りの変化でここだというのは分かります。

それは・・・言葉にするんですか?・・・言葉は後付けの説明で、その時はただ香りの変化にフォーカスして、どのように化学変化しているのかを観ています・・・まぁ、豆は観ていないで、香りを観ているんですけど・・・1℃毎に香りが変わって行くので、豆がどのようにデベロップしているのかをイメージしています・・・と同業者にも話さない話しになったんです(笑)

さかもとこーひーの焙煎は・・・焼くと言うよりは、過不足の無いカロリーを与えることによって・・・生豆の成分が化学変化していき、飲む人が美味しいと感じる化学変化にしたいわけです。

で、ロースティングポイントの5℃くらい前から頻繁に香りを嗅ぐと・・・どんどん香りが変わってきます・・・化学変化しているわけです・・・で、ここだと思った瞬間に焙煎機から出します。

そんな流れの中での今回のブラジル・パッセイオのブルボン種のナチュラル式の、ナチュラル式の豊かなマウスフィールやコク、甘さに加えて、洗練された質感、香りが素晴らしく感動し、今気に入っていると続きました。

余談ですが・・・洗練された上質な質感の魅力はデリケートなので、焙煎でブレると消えてしまい、単なる飲みやすいコーヒーになってしまうリスクがあります。

そんなこんなで・・・最初のカッピングした時からブラジル・パッセイオの魅力を生かしたブレンドを作りたいと思いsブレンドしてみました。

まずは、ブレンドする豆のセレクトです・・・ブラジル・パッセイオ、エチオピア・モカナチュラル、深煎りエルサルバドル、インドを選んでカッピンググラスで並べます。

ナチュラル式をブラジル・パッセイオとエチオピア・モカナチュラル選んで、深煎りエルサルバドルでバランスをとります、インドはエスプレッソでも美味しくなるように選んでみました。

最初は、それぞれをカッピングして・・・次は全部を同じ割合でブレンドしてカッピング・・・それでバランスを確認して・・・ブラジル・パッセイオを増やし、深煎りエルサルバドルを増やして出来上がり。

ブレンド作りは・・・お客さんのお好みをイメージする場合もあれば・・・今回のように素材の魅力を生かしたい場合もあります。

ブラウンサウンドコーヒーさんやグラフトンさんは、秋冬から春夏へ向けてのエスプレッソブレンドのご要望があって、ベリー系フローラルでミルクに合うようにとか・・・冷たいミルクとの相性抜群、これまで食べたことの無いような薫り高い余韻いっぱいの高級感あるコーヒーゼリーになるようなエスプレッソ、コーヒーゼリーには生クリーム、バニラアイス、ベルギーチョコアイスを少しずつ合わせて・・・そんなブレンドもするし。

オールドマンズプレミアムブレンドのようにハンバーガーやサンドイッチパスタ等々の食中コーヒー、食後ののコーヒーとしてのブレンドもありますし・・・ラシェットMさん、ミモザさんは季節毎にシンプルなご要望があって、ブレンドを変えています・・・サンクオピエさんのように季節のコースの3種類のデザートにピンポイントでブレンドしてもいます。

お題をもらってイメージするブレンドもあれば・・・アフターダーク、グローリア、デイドリームのようにイメージがあってブレンドすることも・・・今回のように素材にインスパイヤーされてのブレンドもあります。

まぁ、カスタマーオリエンテッドということで・・・スペシャルティコーヒーは飲む人が際立った美味しさを感じることですから・・・シングルオリジンの魅力もあれば・・・素晴らしい素材を生かしたブレンドの魅力の可能性もあるわけです。

この20年、それまでには無かった素晴らしい素材と向き合ってきて・・・毎日の暮らしの中で気軽にあるいは習慣の中でのこーひー・・・特別な農園や品種などのシングルオリジンの際立った魅力のこーひー・・・お題をもらったり、素材にインスパイヤーされたりしてのブレンド作りしたこーひー・・・職人冥利に尽きる仕事になっています。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。

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2019.03.03

プロのつぶやき992「さかもとこーひーの研ぎのトレーニング」

20190303

プロのつぶやき992「さかもとこーひーの研ぎのトレーニング」

春になってきましたねー・・・花粉が飛んでいます(笑)・・・暖かいのは嬉しいのですが、なんだか今年は花粉がきついです。

先日の月曜日は武道館で志の輔談春さだまさし8000人に行ってきました。神保町にあるらくごカフェ10周年記念のイベントなんで・・・第一部は若手落語家の余興を次から次へで楽しく・・・第二部はさだまさしのステージ・・・喋る喋る評判通りで笑わせる笑わせる・・・ギターが上手くてご機嫌でした。

そして第三部は談春と志の輔・・・談春師が出てきて高座に上がらず舞台の前を端から端へゆっくりと歩いて挨拶してから高座へ・・・そして丁寧なお辞儀して顔を上げると・・・8000人の武道館がいつもの独演会のような空気感になり・・・十八番の紺屋高尾・・・拍手拍手で盛り上がり・・・志の輔師は談春師と逆回りで舞台の前へ端から端へ・・・まくらは軽くして一気に畳み掛ける勢いで志の輔ワールドに持ち込み・・・妾馬改め八五郎出世で8000人が揺れる揺れるで大団円。

で、水曜日のお昼ラジオビバリーヒルズに志の輔師がゲストで・・・武道館の話しになって・・・音響が良かったと・・・500人のホールでも自分の声が遅れて返ってくることがあるのに・・・まぁ、さだまさしさんのステージがあったので音響に予算使ったのか・・・武道館でも普段通りにできたと・・・確かにさだまさしのギターがとってもきれいに聴こえていたし・・・あの武道館の大きさを感じさせなかったのは音響のせいもあったのかと・・・。

1000人1500人のホールだと高座との距離を感じることがあるんですよね・・・志の輔師の国立劇場の時は笛太鼓三味線の音の良さが素晴らしかったのですが・・・高座との距離は感じたので・・・今回の武道館はご機嫌でした。2階席前列だったのですが・・・椅子の小ささは苦労でしたが(笑)

そんなこんなで・・・去年の今頃はおゆみ野店の店舗や駐車場を契約して開店に向かっていました。

去年の今頃のプロのつぶやきを見返すと・・・

「おゆみ野支店の開店準備を進めています・・・看板のテントや工務店の見積もりが届き・・・気がついた備品から揃えて・・・新しいレジ(本店支店がクラウドで繋がります)の設定も始めました。

店内のレイアウトを考えて・・・ウエルカムフラワーやハンギングバスケットのお花も本店と同じ先生おふたりに頼みました・・・3月中は難しい感じですね、4月始めの開店になりそうです。

そんなこんなで・・・「和風総本家」を観たら、後継がテーマでした・・・後継がテーマだと職人系の後継が取り上げられますね。

そして、宮大工になりたいという高校生3人が小川三夫棟梁へ1泊体験に行くと・・・。小川三夫棟梁は法隆寺専属宮大工西岡常一棟梁の唯一の内弟子で・・・高校の修学旅行で法隆寺を見て、宮大工になりたいと西岡常一棟梁に弟子入りし・・・その後独立したと・・・職人仕事を追いかけていた若い頃お二人の本を片っ端から読んだものでした。」

後継がテーマで・・・宮大工の小川三夫棟梁の話しでした。

「本にも書いたあったし・・・番組でも高校生3人に言っていたのは・・・ひらすら研ぐ、鑿をひたすら研ぐ、毎晩研ぐ・・・切れるようになれば技術は付いてくると・・・。

そして、木の育った環境まで知ること・・・1本の木がどのような斜面にあったのか?土壌は?日当たりや風は?・・・そのようなことを知ったり考えたりすれば・・・木の使い方が見えてくる。

小川三夫棟梁の質問への答えは・・・身体で覚える、頭でっかちになるな・・・掃除、整理整頓、段取り、ひとりでは建たない・・・昔読んだことそのままです。」

「さかもとこーひーで言うと・・・研ぐのはカッピング・・・ひたすらカッピングカッピング・・・焙煎だろうと、ブレンドだろうと、最終的に判断し、決めるのはカッピング・・・カッピングが未熟だと未熟な味わい魅力にしかならない・・・カッピングができれば技術はついてくる・・・味覚レベルが上がらない限り、それなりの美味しさにしかならない(商売は別問題です)。

そして・・・コーヒーの育った環境を知ること・・・土壌、日当たり、風、気温の日較差年較差・・・それらを頭に置いてカッピングすれば・・・その豆の生かし方が見えてくる。

身体で覚えること・・・美味しさや香りは常連さんひとりひとりが感じること・・・お好みも感じ方も人それぞれ・・・自分の感覚を知ったら・・・常連さんの感じ方をイメージすること。

美味しさはあるものじゃなくて、感じるものだから・・・ふたりの息子にゆっくりと伝えていきます。」

こんなこと書いていました・・・この1年は普段の仕事を二人の息子に少しずつ任せるようにしてきたのとカッピングトレーニングの繰り返しでした。

本店店長の次男はサポートしている店からの焙煎アドバイスの豆を一緒にカッピングするのが大切なトレーニングです。

ロースティングポイント1℃の違いや、水分抜きやロースティング工程の秒単位のブレを一緒に検証するんですが・・・先日はパナマ・レリダが送られてきて・・・基準通りの焙煎の進行しているのに・・・レスクリーンな味わいがあって、さらにウオータリーと言いますが、焙煎のカロリーが効果的に伝わっていなくて・・・味わいが薄く水っぽいんです。

う~~ん、何故だろうと思いながら・・・電話で色々を話していると・・・焙煎機の掃除やメンテナンスになり・・・汚れが排気に影響しているからだろうと・・・そして数日、掃除してからの同じ進行で焙煎した豆が届き・・・カッピング・・・だいぶ改善されてましたが、まだ微妙にウオータリーなので、今度は排気のダンパーをほんの少し調整するよう伝えて・・・待っています。

さかもとこーひーの焙煎だけなら・・・もう安定しているので安心して任せられるのですが・・・送られてくる色々な焙煎の豆をカッピングすることで経験を積ませています。

おゆみ野店店長の長男は基礎の繰り返しで・・・毎朝一緒にカッピングです・・・シングルオリジンの背景を説明しながら一つ一つお客さんへ伝える場合のポイントや専門的な細かいカッピングの繰り返しです。産地の環境や特性・・・農園の優れているポイント・・・常連さんの感じ方・・・基本的なカッピングから細かいところまで順に伝えています。

まだまだ数年はこの繰り返しで・・・さかもとこーひーの研ぎのトレーニングになるでしょう。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。

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