2009.07.21

「フードペアリングの方程式(3)」

雨模様の火曜日…日曜日に友人宅にお邪魔するんで、飯田橋で途中下車して、以前から噂に聞いていた「パティスリー カー・ヴァンソン」http://www.k-vincent.com/に寄って、たくさんお土産に買いました。

女性スタッフだけでやっているようで…神楽坂が近いと言っても、飯田橋の路地裏の小さなお店、日曜のアスファルトが熱せられたお昼過ぎ、フルーツが彩り美しいパティスリーでは全く無い、デザインは洗練されているものの、チョコレート主体の地味目なお菓子ばっかりなのに…次から次へとお客さんが訪れてきます。

結構絞り込んだ店作りなのに、繁盛していて…お菓子ファンの成熟を実感します。

そして、友人宅で少し頂いたら…う〜〜ん、参りました…何かとうるさい僕が文句のつけようが無い素晴らしい魅力…チョコレートとオレンジの組み合わせのタルトの豊かな味わいと香り、オレンジの爽やかさだけではない奥行きがより魅力的で…色々とさかもとこーひーに合わせるイメージが浮かんできます。

きょうは、お店用に日持ちのするオレンジのパウンドケーキを買ってきて頂いたら…僕のオレンジのパウンドケーキはオレンジの香りを華やかに香らせて、余韻にも香りと明るい味わいを印象的にバランスとっているんですが…全く違うタイプで、香りも味わいもどっしり重く…さっそく、木陰とほたるカフェと淹れましたが…どちらも相性良く、ほたるカフェの円やかなコクがバランス良く、木陰の気品のある味わいもオレンジと上手く合ってました。

もう少し涼しくなった、何度も通って…片っ端からフードペアリングを楽しんでみたくなるお店でした。こんなに触発されるお店って、なかなか無いんです。

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2009.07.05

「フードペアリングの方程式(2)」

20090705_

雨はそれほど多くないのですが、梅雨らしく湿気の多い毎日です。相変わらず「キャンブリックティー」「シナモンティー」「ミントティー」の注文が多く、追加の仕入れをしてブレンドしてパッキングしてます。朝はスプラッシュカフェでアイスコーヒー、キャンブリックティーやシナモンティーでアイスミルクティーを作り、みなさんに楽しんでもらってます。やはり、みなさん、未知の体験が楽しみなんですね。

先ほどの朝食は…友人からのお土産のシカゴ、インテリジェンシアという僕の大好きなスペシャルティコーヒー会社のパナマと…ヴィロンのバゲット、近所のお菓子屋さんのキッシュ、IKEAのジャムという、アメリカフランススエーデンと国際色豊かなものでした。パナマの柔らかできれいな酸味とマウスフィールが疲れ気味の胃に心地よく、リンゴンベリージャムにピッタリで、バゲットを2/3本食べてしまいました。

そんなこんなで、「フードペアリングの方程式(2)」に進みます。

-美味しいコーヒーと美味しいお菓子、パンや料理があれば、美味しいテーブルになるわけではない
-コーヒーとお菓子、パンや料理の美味しい出会い、フードペアリングのルールを考える

を基本にして…今日は、僕の考えて来たフードペアリング方程式の基本を少しご紹介しようと思います。フードペアリングということなんで…コーヒーの個性とお菓子やパンの個性の相性を合わせていきます。そして…その個性特徴をどう見るかです。

-酸、質感、香り・風味、甘さ、等の特徴を合わせる

僕はこの辺からイメージしていっています。さかもとこーひーでは前面に出さず隠し味的に活躍している酸味ですが…コーヒーはフルーツだ!…と、昔から言っているように、コーヒーにとってきれいで魅力的な酸味と甘味はとっても大切なものです。その酸味のボリュームや個性特徴、甘さとのバランスをきちんと把握することを基本にしています。同じように、香りや風味の個性特徴が関係してきますね。さらに、味わいの質感や甘さが続いてきます。

-ボリュームと余韻

それらとは別に香りや味わいのボリューム感を考えます。ボリュームがどの程度あるのか、ボリューム感と同時に余韻はどうなのか。軽めでも、余韻が上品に長いものもあるし、ボリューム感豊かに余韻が長いものもありますね。

-ローストのバランス

そして、コーヒーは農産物であって…フルーツなんですが…さらに、ローストによってできる魅力があります。どの位焙くか、ロースティングポイントの微妙な調節によって、香り酸味甘味ボリューム等々バランスが変ってきます。チョコレートのキャラクターもロースティングポイントによって魅力的にもなるし、せっかくの個性を消してしまうこともあります。ローストによるバランスとの相性はコーヒーにとって重要ですね

個性特徴のひとつひとつについてはこれからブログでゆっくりと考えて書いて行きます。基本的にはどう風味を合わせて行くかをイメージしてます。勿論、正反対の組み合わせの可能性もありますが…これは、なかなかハードル高いので、経験を重ねてからの楽しみになるでしょう。でも、正反対の個性で上手くいった時は、驚きがある分インパクトが大きいので快感も増幅するでしょう。ハイレベルの感覚と技術が求められますね。協和音と不協和音のようなものでしょうか、どちらも快感です。

昨日のワイン会は…ブルゴーニュとカリフォルニアのピノがテーマでその比較が楽しかったのですが…いつものサンク・オ・ピエさんの料理も前菜からデザートまで突っ走ってご機嫌でした。ワインをイメージして持ち込んだこーひーは、ブラジル・レクレイヨ農園とケニア・カンゴチョ。シェフが以前さかもとこーひーをイメージしたクランベリーとラズベリーのパウンドカーキを作ってくれましたが…その時、さかもとこーひーに共通するきれいな酸味をイメージして作った、ということでした。さかもとこーひーはワインと同じ感覚であわせられるのでデザートもイメージしやすいそうです。

シェフは料理とワインの専門家ですので、僕はその辺の感覚にいつも学んでいます。このワイン会はもう5年くらい続いていると昨日話題になりましたが…その組み合わせの微妙な感覚を体験し続けると、ぴたっとはまった時の快感が何とも言えません。帰り道でしみじみ感じましたが…ワインと料理と食べ手が揃って、豊かで楽しい食事になりますので…こーひーとフードペアリングの楽しい出会いで、みなさんの暮らしが新しい体験とともに魅力的になって欲しいと思ってます。

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2009.06.28

「フードペアリングの方程式(1)」

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昨日の土曜日は6月の終わりの蒸し暑い一日だったのに…遠く平塚市や流山市から長年の常連さんが来店してくださり、僕の淹れたこーひーやアイスミルクティーを楽しんでくれました。閉店間際の5時半過ぎてからも常連さんにはじめての方と次々を来店があり…おゆみ野店で試飲をしてもらえることがいかに大切なことかとあらためて感じました。同じこーひーを一緒に飲めば、それだけで一瞬にして通じることがありますからね。紅茶もあいかわらずご注文がありますので、秋に向けての紅茶の仕入れに気合いが入ります。

で、紅茶と言えばケーキ、ケーキと言えば紅茶、と昔から言われましたが、今もですか?…まぁ、昔はケーキと言っても、ショートケーキやチョコレートケーキ、シュークリームくらいしか無かったし、その後がチーズケーキブームと、シンプルなものでした。クリームやチョコレートと紅茶の渋みが合いますし、色付き砂糖湯と揶揄された昔のレモンティーがメインの紅茶でもケーキの邪魔になならなかったんですね。

その頃のコーヒーはどっしり重い味わいで、砂糖やクリームをたっぷりと入れるのが普通で(シュガーレードルに3杯の砂糖が普通でしたからね、どんな甘さなんだ!)、そういったコーヒーとケーキだとちょっとヘビーだったんでしょう。

そんな話し、いつだ?…って、30年以上前でしょうか。僕としては、その頃から紅茶の魅力にはまり出して…ティーポットできちっとコクも香りも渋みもあるミルクティーをお客さんに淹れたり、自分で飲んだりする中で生クリームやパウンドケーキ、クッキーとのフードペアリングの可能性に目覚め、色々とケーキ屋さん巡りをしたものでした。

それから、紅茶の店テ・カーマリーで独立し、基本的なケーキから焼きはじめ、だんだんとオリジナルのケーキも増えていったのですが…その時のテーマは…ケーキのプロでは無いので家庭で作れるケーキの魅力と、紅茶に合うケーキ、のふたつでした。ケーキ単独での魅力とはアプローチが違いますね。ケーキ屋さんは、どうしてもケーキ単独での魅力が中心になるんでしょう。

そんなこんなの流れで、さかもとこーひーを開店した頃から常に、こーひーとお菓子やパンの相性をテーマにしてきたのですが…もうすぐ10年になるスペシャルティコーヒーと出会い、取り組みをスタートしてから…その味わいの多様さ、豊かさにフードペアリングの可能性が明らかに違ってきました。

スペシャルティコーヒーに取り組む前のコーヒーでは、その魅力は苦さや濃さのニュアンスの違いを中心にして、産地の違いによる個性をどう伝えるか、そして焙きたての新鮮なコーヒーの魅力がポイントでしたが…スペシャルティコーヒーになってからは、その香りの種類の多さ、豊かさ、甘さの感じ方の違い、余韻の長さ心地よさ、爽やかさ明るさに加えて酸味の個性キャラクターボリューム感が素晴らしく、その酸味をお客さんには前面に感じないよう魅力的に隠し味的にコントロールする楽しさがご機嫌になりました。

その頃には、パンにしてもお菓子にしても、昔とは比較にならない種類の多さ、クオリティの高さになり…さらに都内の一部のお店だけでは無く…近所でも、さらに家庭での手作りにしても、急速にひろまってきましたよね。うちのお客さんにはそういった教室の先生も多いですし、そういった教室に通って家で手作りしている方も多いです。我が家でもかみさんがそれなりに家で作ってましたし。

で、新しいこーひーの紹介をする時は、そのこーひーに合うと思うスイーツやパンのこともお伝えするようにしてきました。最初の頃は、自分の体験や感覚でお勧めしてきたんですが…なんか、方程式が見つかりそうな気がしてきたんですね。ここ5年くらいでしょうか。スペシャルティコーヒーの色々な産地毎の魅力やその魅力に対する常連さんの反応感覚がだいぶ手の内に入ってきた頃ですね。

う~~ん、長くなりました。で、だいぶ自分なりにまとまってきたのと…ブログで連載している「コーヒーのコク研究」と「コーヒーの焙煎を考える」が最終コーナーに入ってきましたので…新しく「フードペアリングの方程式」をスタートしようと思いました。今日は話しが中途半端になったので、来週「フードペアリングの方程式(2)」でどう組み合わせを考えるのかもう少し詳しく書いて…その後はのんびりブログでちまちま連載していこうと思ってます。

-美味しいコーヒーと美味しいお菓子、パンや料理があれば、美味しいテーブルになるわけではない
-コーヒーとお菓子、パンや料理の美味しい出会い、フードペアリングのルールを考える

こんなことをベースにして、美味しさ楽しさいっぱいのテーブルが広がりふえるよう、具体的に考えていこうと思ってます、お楽しみに♪

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